ノークレーム・ノーリターンでお願いします。
・・・というのはオークションの決まり文句。
中には高価な品物もあるけれど、
基本的に値段が安いし、
個人同士の売買が中心だから・・・
実はそれだけではない。
クーリングオフ制度・・・というものがあることを
知っている人も多いだろう。
一定期間内であれば無条件・違約金なしで
キャンセルできるという制度、ね。
特定商取引法で定められたこの制度は、
もちろん素人の個人には適用されないし、
そもそもクーリングオフ適用の取引は、
訪問販売や電話勧誘などにより、
相手につい乗せられてしまうことへの対応策。
テレビショッピングで乗せられてしまうことも
本当は多いんだけれど、
不特定数を相手にしているテレビショッピングや
雑誌、ネットの通販は
厳密にはクーリングオフの適用外のようだ。
もちろん、購入者に安心感を与えるために
クーリングオフを適用している通販会社も
テレビ、雑誌、ネットには多いけれど・・・
訪問販売や電話勧誘という直接取引でない限り
100%適用しなければならない
・・・ということではないらしい。
決まり文句には、それなりの理由がある。
決まり文句だからと軽んじてしまうと
・・・後でとんでもないことになる恐れも。
いかに自分を被害者だと思いこんだところで、
売っている側から見れば、
むしろ・・・
販売ルールを読まない加害者扱い
・・・されかねない。
司法は、どちらが倫理的・社会的に
正しいか・間違っているのかを決めるものではなく、
どちらが法律に適しているのかを判断するだけ。
本当に間違っているものを
社会的に抹殺するのは世間・・・だと、
・・・東京地裁の裁判官はそう言ってたよ。
参考文献「やってはいけない」河出書房新社=刊