Episode No.2641(20070207)
スゴイ広告代理店マン

何となく職業シリーズ
第3弾は、広告代理店の担当者。

最近はどうかよく知らないが・・・
かつて、某大手広告代理店には、
ざっと見たところ
10人中、1人か2人くらいしか
スゴイと思える人がいなかった。

新人は、どこぞの一流大学を出たらしいが、
たいていみんなダブルのスーツを着込み、
先輩のいるところでは
ボーッと立っているだけで、
いないところでは、
ひたすら会社名を連呼してモテようとしていた。

中には初対面でいきなり・・・
「うちの父親は大手食品メーカー○○の
 重役なんですよ」
・・・と縁故で入ってきたことを自慢する
漫画に出てくるような馬鹿者もいたくらいだ。

そういう連中をも大量に食わせている、
一部のスゴイ人たちは・・・
何がスゴイと言って、
クライアントの会議でも
クライアントの宣伝部長より
発言力があるところがスゴかった。

考えてみれば、それもそのはずで、
いかにクライアントの宣伝部長といえども、
たいていは他の部署から
人事異動で来ているので、
その仕事についてよく知らない。

そこで頼りになるのは、
自分よりずっと長い間この仕事を続けている
広告代理店の担当者・・・なのだ。

むろん広告代理店にも人事異動はある。
しかし、
特定のクライアントを長く担当している人は、
どの部署に行っても担当は、
はずれない仕組みになっていた。

某大手広告代理店には
同じクライアントを十数年担当し続けている人が
知っているだけでも数人いたし・・・
そのクライアントの受付嬢と結婚した
・・・という人も2人知っている。

そして何よりスゴイのは・・・
そこまで入り込んでいても
決して癒着せず、
必要に応じて厳しい意見を
クライアントに浴びせていたことだ。

・・・このあたりが
決まった仕事しかしていない
小さな下請け工場とは、
ちょっと違うところじゃないかな。