THE THEATER OF DIGITAKE
初めての不旅行27 6/10


■会津の笑顔

人事部長との話を終えて、宮田はジェーピー物流へと向かった。

それにしても仏滅とは・・・そこまで考えていなかった。かと言って日程は、もうそこしかない。
前日の土曜日というわけには・・・いかんだろうな。会津さんは日曜日の線でずてに動いてもらってるし。

今の若い連中は、そんなことまで気にしないとは思うが・・・。
後々2人の間に何か問題があって「仏滅に結婚したから」なんて思われたら、強引に日程を決めてしまった自分としては後ろめたいし・・・。
せっかく鈴木クンに挙式を頼んだが、ここはパーティーだけにするという手も・・・。

ジェーピー物流に着くと、例によって会津が飛び出してきた。

「いやいや宮田さん、例の話。こっちはヒジョ〜にうまく進んでますよ、ご安心ください」

「そうですか!」

「はい〜。昔の仲間も喜んで協力してくれましてねぇ。26日の日曜日なら大丈夫だと言うんですよ。私も何か忘れかけていたホテルマンの血がうずいてきてしまいました」

「やっぱり・・・日曜日ですよね」

「・・・それで人事部長の方は?」

「はぁ、何とか納得してもらいました。黙認というカタチですが」

「さすがは宮田さんだ」

「清掃業者には明日から入ってもらいます。まぁ簡単な清掃ですが。電気、水道、ガスなどの手続きもひととおり見通しは立ててきました。問題は・・・」

「解体業者?」

「ええ。公共工事も集中する時期なんで、なかなか条件に合うところが・・・。でも、きっと見つけますから。部長にもタンカ切っちゃったしね。最悪は私もツルハシを持つ覚悟です」

「エライ! あなたの部下になった人は、ヒジョ〜に幸せだ。うちにもあなたのような人材を迎えられて実に嬉しい」

「期待はずれにならないように頑張らせてもらいます」

「そうそう、肝心の新郎新婦の衣装なんかですが・・・」

「衣装?」

「挙式も、なさるんでしょ」

「え、ええ、まあ」

「私の関係で借りることはもちろんできますが・・・どうしますか?」

「そうですねぇ、花婿はともかく・・・花嫁の方は本人の意向もあるでしょうから」

「そうでしょうなぁ・・・聞いてみていただけますか?」

「もちろん、早速明日にでも・・・。いや、明日はこっちに直行しなきゃならないから・・・とにかく早急に」


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