THE THEATER OF DIGITAKE 初めての不倫旅行26 7/12 |
■宮田の計画 思わず会津と話し込んでしまった宮田は、木下と約束している蒲田へと急いだ。 宮田が会津に協力を依頼したのは・・・もちろん、あの場所で柳と三村の結婚式+資材調達課の打ち上げパーティを催すこと。 「しかしねぇ宮田さん、半月以内に更地にしなきゃならんものを・・・」 最初は難色を示していた会津も初めて見る宮田のテキパキとした説明・・・そして部下たちへの思いを聞いて次第に折れてきた。 「わかりました宮田さん。そういうことなら私もご協力いたしましょう。・・・実を言うとね、別にわざと黙っていたワケじゃないんですが、私、ここへ来る前は某ホテルでフロア係を長年やっとりまして・・・。結局リストラでここに拾ってもらったようなもんなんですが・・・。料理とか照明とか、フラワーアレンジメントなんかやってくれる連中には、ちょっと顔がきくんです」 「それは心強い! ぜひ、お願いします!!」 「・・・ところで日程はいつにします? 」 「まぁ、本人たちにも相談しなきゃならんですが・・・。いろんな準備を考えると、やっぱり3月の最後の日曜日、26日あたりかなぁ」 「う〜ん。ギリギリというところですな。翌27日の月曜日から解体工事を入れたとしても月末まで5日間しかない。本社の要望には間に合いますかね?」 「きっと間に合わせます。ようするに5日間で解体してくれる業者を見つければいいんだ」 「しかし・・・前に一度、解体業者に見てもらったところでは、さっきもお話しした通り10日くらいはかかると・・・」 「昼間だけ作業して10日でしょ? 10日かかるところを5日で終わらせるためには、24時間作業をしてもらえばいい。幸いここらは住宅地もないし、騒音の問題はないでしょう。そっちは私が責任をもって引き受けますから、会津さんはぜひホテル時代のお仲間に!」 「わかりました。早速!!」 そう啖呵をきってきたものの・・・解体業者など、まったく思い当たらない。 まぁいい、本気になって探せば見つからないはずはない。 何しろ今は、このイベントを確実に実現することが大事だ。 ・・・宮田にとって、このイベントは生まれて初めて自分で企画した仕事だった。 |