THE THEATER OF DIGITAKE
初めての不旅行22 7/11


■来るべき時が・・・!

「それにしても強いなぁ〜、しよちゃんは・・・」

『清酒 男爆発』は、もう3本目にさしかかっていた。

「そりゃあ、東北の出身だがら」

三村もいつもよりは酔っている。

「私・・・コーちゃんと会えてよかったぁ・・・」

「何だい? 急に」

「だって・・・せっかく東京に出てきても・・・期待したほど楽しいことはなかったし・・・何だか疲れちゃって」

「・・・・」

「コーちゃんといる時だけよ。私が私らしくいられるの・・・」

宮田の目はすっかり座っていたが・・・視線の先にはシッカリと三村のうなじがあった。

「ねぇ・・・コーちゃん?」

「!」宮田はゴクリと息を飲む。

「・・・そろそろ、温泉につかってきたら? 露天風呂も、もう男用になった頃だし」

「そ、そうだな。そうしよう」

浴衣をつかんだ宮田はフスマを出ようとして、もう一度、三村を見た。
三村はニッコリ笑っている。
宮田もニンマリ笑って部屋を出た。


Next■