THE THEATER OF DIGITAKE |
■前話の最終ページ |
■宮田浩一郎の自己分析 自分がしたくて、したくてたまらないこと・・・なのに。面と向かって、それが言えない。 考えてみると宮田浩一郎の人生は、そんなことの連続だった。 かと言って、したいことをしないで来たのか・・・と言えば、決してそうではない。 したかったことは、ある程度やってきた・・・つもりだ。 思春期には恋もしたし・・・。 年相応にプラトニックなものから・・・A、B、Cへと発展したことだってあった。 最もCの場合は、プラトニックから発展したものじゃなくて・・・つまり、それを商売にしている人が最初のお相手だったが。 もちろん就職もして、結婚もして、子供も産まれて・・・建売とはいえ一国一城の主にもなった。 しかし、あたらめて思い返すと・・・。 どれひとつとっても自らが主導権をもって進めたことなど・・・皆無に等しい。 その時、その時で自分をリードしてくれる人がそばにいて・・・。 自分は、これ幸いと・・・それに乗っかってきただけのことだ。 会社では仕事のできる男・・・"ダンドリー宮田"なんて呼ばれて、悪い気はしていなかったけれど。 それだって、与えられた目標を淡々とこなしてきたに過ぎない。 自分で決めていたはずの自分の人生は・・・いったい、どこにあるのだろう? 人間ひとりきりで生きていけるものではないさ・・・なんて、今の自分が言ったところで、それは自分に対する言い訳にしか過ぎないだろう。 そうだ・・・おかげで行き着いた先は、左遷。 だけど・・・。 据え膳食わぬは男の恥・・・とも言うし・・・。 よし! 明日から、宮田浩一郎は生まれ変わることにしよう。 だから、今夜は・・・。 |
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