THE THEATER OF DIGITAKE
初めての不旅行18 8/14


■麻薬検査の謎

長椅子に腰を下ろしてから、かれこれ30分が経過しようとしている。

何だか呼ばれる順番も受付順とはバラバラだ。
おそらくは検査内容の違いによるものだろうが・・・それにしても遅い。

だいたい麻薬の検査なんて、いったいどうやるんだ?
やっぱり血液検査か尿検査でもするのだろうか?

もし、尿検査が必要ならあらかじめ紙コップくらい配っておくべきだ。
検査前にトイレに行きたくなって、いざ検査となった時に一滴も出なかったらどうするんだ?!

そんなことを考えていたら・・・本当にトイレに行きたくなってきた。
廊下の向こうにはトイレの看板がすぐ見えた。
しかし、今行くと検査ができなるなるかもしれない・・・。

そんなイラ立ちと尿意が頂点に達した時、

「宮田さん!」

診察室から声がかかった。
その声にビクッとしたのは宮田だけではなかった・・・実はさっきの女学生も・・・。

しかし、今の宮田にはまわりのことなど気にしている余裕はない。
とり急ぎ、診察室へ駆け込んだ。

白いカーテンの向こうには女医がひとり座っていた。

「え〜と、宮田さん。今日は何の検査で?」

「あ、あの麻薬っ・・・」

「麻薬?」

「いや、つまり・・・毒物劇物取扱責任者の・・・厚生省に提出する・・・この用紙」

「え〜と・・・。はい、はい。わかりました」

「・・・わかって・・・いただけましたか?」

「はい、わかりましたよ。・・・じゃあ、色覚検査から」

「えっ?」


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