THE THEATER OF DIGITAKE
初めての不旅行14 3/12


■クリスマス・キャンペーン

トロけそうなくらいニヤけた岡崎とブスッとした表情の柳。

そして、マジックミラーの向こうにはサンタクロースの格好をした若い女性が5〜6人座っている。
ややはだけた胸には大きな番号札がぶらさがっている。

「じゃあねー、ボクはねー、3番、いや2番の娘でぇ」

奥から声がする。

「はい、スーザンさん、お願いします」

ニヤけた岡崎は隣の柳の表情を見て眉をひそめた。

「なによー、柳ちゃーん。そんなコワイ顔してぇ?! 早く決めろよー」

前回、誘われた時にはさんざん飲んだあげく宮田の家にまで押しかけて、岡崎にずい分迷惑をかけてしまった。今日こそはつき合わないと悪い・・・と思ってここまで来たものの、やはりどうも気乗りしない。ことに自分の誘いを断った三村が今頃どうしているかと思うと・・・。

「わかったよ。じゃあ、俺は一番小さい娘でいいよ。俺よりデカイんじゃイヤだから」

「そんなコト言ってもよー、ここガイジン専門なんだから・・・。おっ! じゃあの娘でいいな?! 5番の」

「何でもいいよ」

「じゃあ、もうひとりは5番ねー」

奥からは、また単調でやや機械的な声がする。

「はい、マーガレットさんお願いします」

指名した娘がマジックミラーの中から消えると、柳と岡崎の2人は狭い廊下に呼ばれた。
大柄なスーザンと小柄なマーガレットがニコニコしながら待っている。

岡崎は、その場で服を脱ぎ始めそうな勢いでスーザンを手にぶらさがると廊下の奥へと消えて行った。

「じゃ、後でぇ〜」

柳はその場を動こうとしない。
東洋系の丸顔をしたマーガレットはひたすら笑顔で語りかける。

「イラッシャイマセ。イイ男ネ。サ、イキマショ」


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