でじたけ流 教育論「憧れる力」
 

でじたけ流“教育論”
第975回「憧れる力」

でじたけ流教育論 digitake.com


先週の続きのような話だけれど…

樹木希林に内田裕也、
ショーケンまで亡くなってしまって
淋しさを感じる同世代の連中は多いと思う。

YouTubeで
「太陽にほえろ」や「傷だらけの天使」の
名場面を検索してみる。

昔、父親が
懐かしのメロディを見ていたのと同じ心境だな。

牛乳ビンのフタを口で開けたり、
コンビーフを丸かじりしたり…
同世代なら必ず一度はやったと思う。

憧れを抱かせるスターがいて、
みんなそのスターをマネた。

高校時代、女子はほとんどみんな
聖子ちゃんカットだった。

はたして、今の子供たちは、
誰に憧れて、どんなマネをしてるんだろう?

大学生の次男に尋ねてみても、
あまりハッキリとした答えは帰って来ない。

何とかいう歌手が好きだと聞いても、
それがどんな人だか、
こっちがわからないということもあるんだけど。

森昌子の子供だと聞いて、
少しわかったフリはするものの、ね。

マネたくなるほど
インパクトをもったスターは今もいるのだろうか?

大儲けしているYouTuberに
憧れたりする子供も多いようだけど…

小選挙区制になって派閥の力が衰え、
小ぶりな政治家が多くなってしまったように、
個別に楽しむ映像を通して人気になった人たちも、
傍目には小ぶりなスターとしか思えない。

たとえ、いくらネットの世界的だと言われても、ね。

個別の幸福感を温めることができるのは、
実に平和だと思う。

ただ、
平和で豊かな生活が進化の証なのか?
…といえば、人口は減少し、
生物としてはむしろ退化する一方。

便利な道具のおかげで、
できることが増えると、
かえってやらなくなってしまい、
人間は退化していく。

憧れは、簡単にはできないから憧れるわけで、
すぐに手に入りそうなものに、
わざわざ憧れたりはしない。

できそうなものにしか
手を伸ばせなくなったら、
人は確実に衰えていくだろう。

そういう風に考えていくと、
等身大のスターばかりが目につく時代の若者は
かわいそうだとも思えてくる。

年をとって、体力が衰えるのと同じで、
憧れる力が衰えると…若年寄になってしまう。

できそうもないことに挑戦し、
近づいていく過程で
自分のスタイルを発見する。

そういう道を示唆してくれる先輩が、
いつの時代にも必要だと思う。

やっぱり…人生、日々更新。

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