でじたけ流 教育論「続・僕の好きな先生」
 
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20181223

でじたけ流 教育論959回 続・僕の好きな先生

でじたけ流教育論 digitake.com


この間、書いた
小学校低学年の頃の
担任の先生
について、
あれから、いろいろ思い出している。

考えてみると、
その後、長い…
それも人一倍長い学生生活を送ったのに、
授業内容までハッキリ覚えているのは、
最初に習った、その先生の授業だけだ。

その後も結構、思い出に残る
いい先生に恵まれたと思うが、
友達みたいな付き合いをさせてもらった
…ということは覚えていても、
申し訳のないことに、
肝心の授業の内容は、まず覚えていない。

先日はその担任の先生が
スルメをデッサンさせた
…という話をしたが、こんな授業もあった。

「おもちゃのマーチ」という童謡を
朗読する…という授業だ。

♪やっとこやっとこ くりだした
♪おもちゃのマーチが ラッタッタ 
♪にんぎょうのへいたい せいぞろい
♪おうまもわんわも ラッタッタ

今でもこの歌詞には苦い思い出がある。

この歌詞を歌うのではなく、
ただ読めばいいのだから、
実に簡単なことなのだが…

小学生になったばかりの自分には、
それができなかった。

字が読めなかったわけではない。
何度も歌わされてもいたから、
とっくに覚えていた。

その、覚えていた…というのが、
大きな落とし穴だった。

つまり、
読んでるつもりが、
つい歌ってしまうのだ。

ちゃんと朗読ができないと、
椅子に座らせてもらうことができず、
普段なら、わりと何でも
器用にこなす方であった自分は、
いつまでも立たされていて、
ものすごい屈辱を味わった。

何ができなかったのか…
ポイントは、この部分

♪にんぎょうのへいたい せいぞろい

漢字で書くと…

人形の兵隊 勢ぞろい

…だが、
歌う癖がついていると人形ではなく

人魚の兵隊 勢ぞろい

…になってしまうのだ。

そこに自分で気づくまで、
ずいぶん長く立たされたのを覚えている。

前回のスルメを描く授業も、
イカを描くのではなく、
スルメを描くことが求められていた。

目の前にあるものをよく見ずに、
自分の思い込みやイメージ、
あるいは人から聞かされた話だけで、
理解したつもりになってはいけない
…ということを
この先生は、よくよく教えてくれたと思う。

そして、
そこに大きな影響を受けた自分は、
50年後、「唐人お吉」に出会った
…というわけだ。

やっぱり…人生、日々更新。

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