20020113
でじたけ流 教育論第82回 子の勇伝

子供の動きをジックリ観察してみると・・・
基本的に生きるための知恵とか工夫、
そして、その進化が見えてくるようで面白い。

歳をとるこど、やることも、やらなければならないことも
どんどん複雑になってくるが・・・基本は同じだ。

むしろ、複雑になればなるほど、基本を忘れがち。
枝葉の部分で、あーでもない、こーでもないと議論をかわしても
基本に戻らないと解決できない問題は多い。

2歳の次男は、ここのところ急に背が伸びてきて
高いところにのモノが見えるようになってきた。

とはいえ、しょせん2歳。
棚の上にあるモノを見ようと、一生懸命、背伸びをしても
まだまだ簡単に見ることはできない。

後ろから見ている私の方を何度も振り返っては・・・
ウー、ウー言いながら、だっこしてくれと目で訴える。

だけど、私はそれに応じない。
その先、どうするのか見たいから。

やがて棚にへばりつくのも疲れたのか・・・
背伸びをやめて、しばらくすると棚を離れた。

とうとう、あきらめたか・・・と思いきや
棚から少しと離れたところまで下がって、もう一度背伸びをはじめる。

すると・・・
棚の真下にいた時には視界に入らなかったモノが
離れたことによって、よく見えたようだ。

こういう子供の動き自体・・・
私がすぐに子供を抱き上げてしまっては・・・見えないもんだよな。

先週の日曜日・・・
8歳の長男は、とうとう剣道の朝稽古、連日一周年を迎えた。

雨の日にはカッパを着て
旅行先では、小さな竹刀を持参して
時には風邪で熱を出しながら・・・よくやってると思う。

理由があれば、やらなくていいというルールを作ってしまうと
やろうという気持ちよりも
やらなくてもいい理由を探す頭の方が先に動いてしまう。

だから・・・とにかく、やると決めたら、やる。
実に単純なことだが・・・
この単純なことが、できるようで実は最も難しい。

継続は、力・・・
継続させるために必要なのは習慣や癖だ。

この一年間で、すっかり朝稽古の癖がついている長男には
一年やったと言ったところで、あまり感慨はないらしい。

朝稽古は、もうすっかり日常の生活に溶け込んでいるので
一周年だからと言って、特別な気もしなくなっているようだ。

ところが、つい先日、こんなことがあった。

小学2年にもなると、
休みの日でも家で妹弟たちとだけで遊ぶのは退屈らしく
長男は、一人でよく公園に出かけていく。
公園に行けば、誰かしら友達がいる。

で、その日、公園に長男が行ったら・・・
同級生が体の大きな上級生にいじめられている場面に遭遇。

止めに入った長男は
その上級生と腕相撲で決着をつけることになった。

結果は長男の圧勝。

長男は同学年の中でも小さい方だが
これは、やはり朝稽古の成果だろう。

「勝っちゃったんだよ、オレ」

と、得意気に話す長男。

「それは、毎朝300回も竹刀を振ってるからだよ」

そう答えると、長男はますます得意顔になった。

訓練の成果が見えてくると、訓練自体も面白くなってくる。
本来は、生きるていること自体が訓練。
一生懸命、訓練していれば勝てる・・・
それを知っていると、どんなつらさも楽しさにかわる。

自信は、自然にふって湧いてくるものじゃない。
何もしていなければ、
歳をとればとるほど・・・むしろ、なくなってくるものだ。

それが生きることの基本だな・・・きっと。

でじたけ流 教育論

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