20150705

第778回「因果応報の教え」

夜。
今年、大学生になった娘から
家族のLINEにメッセージが届いた。

パスケース落として、交番に来てる。

…そういうわけで、
まだ、大学の近くにいるらしい。

気になったのはパスケースの中身。
定期の他に何が入っていたのか？
とくに現金が一緒に入っていたかどうか？

すぐさま、それを尋ねると、
帰って来た返事は…。

帰りの電車賃はあるから大丈夫。

…そうじゃない。
落とし物の中に現金があると、
なかなか戻って来ないから、それを気にしてのこと。

どうやら現金はなく、
Suicaの中に1,000円くらいチャージしてあるだけ
…とのこと。

ただし、学生証も一緒だった…と。

すると今度は出先の長男からもメッセージが入った。

定期券も学生証も再発行はできるから、
まず定期の使用を止めてもらえ。

…どうやら自分も落としたことがあるらしい。
こっちは知らなかったけど。

その晩は最寄りの駅まで娘を迎えに行く。

家に帰ると、細かい金にうるさい長男が
学生証の再発行にいくらかかるとか話し出す。

ぶぜんとする娘。

ま、仕方ない。
自分が落としたんだからな。

次の日…。
学校に行った娘から早々にメッセージが入った。

パスケースが交番に届いていたらしい。

ひとまず一件落着。

さすが、神さまは見てるよ。

ここ半年の間に、
父親はパスケースと小銭入れを拾って、
もれなく交番に届けていたからな。

バスケースは確か、小学生のものだった。
小銭入れは300円くらいしか入っていなかったけど、
その小銭入れ自体が思い出の品かもしれないしな。

小学校の頃、公園の砂場で10円拾って、
友達３人と交番に届けに行ったら、
若いおまわりさんが小遣い100円くれた。

落とし物を届けるのが目的…というより、
何か用事を作って、交番に入ってみたかった
…というのが本音だったげど。

友達２人には30円ずつ。
届けようと言い出した自分は40円とって、
帰りに駄菓子屋に行って以来、
落とし物は積極的に届けてる。

駐車違反で鎖をかけられ、
交番に出頭する途中で鞄を拾って、
それを届けたら駐禁を許してもらった
…なんてこともあったっけ。

良いことをすれば、
それはきっと自分にも返ってくる。
悪いこと、ずるいことをすれば、
やっぱりそれも自分に必ず返ってくる。

やっぱり…人生、日々更新。

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