20011118
でじたけ流 教育論第75回 じる心が憶を育てる

あいかわらず幼児の英会話教室は盛況なようだ。
6歳で英検準2級をとった子がいるとテレビでやってた。

英検は・・・中学時代に挑戦したな。
4級、3級とパスして・・・2級で落ちた。
で、そのまんま。

いわゆる英才教育が、はたして本当にいいのかどうか・・・
これは議論の分かれるところだろうけれど
能力を伸ばしている子供たちを見ていると・・・楽しんでるよね。

何だって・・・できないより、できる方が楽しい。
やる意味がどうのと、やる前から腰の引けたようなことを言うのは
大人の悪いクセだ。

チャンスさえあれば・・・
子供は、まるでスポンジが水を吸収していくように
何でもドンドン覚えてく。

子連れでお芝居を見に行くことも・・・すっかり日常のこととなった。

お芝居を見終わった後に、子供たちといろんな話をするんだけど・・・
本当に細部に至るまで、よく覚えているのに驚かされる。

子供にお芝居を観せたって、意味がわかるの?
・・・と言われることもあるが、わからないようでわかっているのも不思議。

もちろん、微妙なニュアンスや難しい意味まではわからないだろうけど・・・
意味というフィルタをかけて見ていない分、些細なことまで丸暗記しているという感じ。

この間、観せたのは・・・ショーGEKIの「八犬伝」。

オリジナルのCDを車でかけながら走っていると、小2の長男が言う。

「この曲のここのところで、魔女がこっちの手から出てくる」

この曲で魔女が登場したことまでは私も覚えているが・・・
どっちの手からなんて、まったく覚えていない。

続いて幼稚園、年中の長女が言う。

「この曲でバケ猫が自分の名前を書いた紙を持って出てきて・・・
 この部分で、パッと広げて、ここで頭を下げたんだよね」

エンディングの自己紹介の話だ。
もちろん、私はどのタイミングで紙を広げたかなんて・・・覚えていない。

長女(4才)画ちなみに長女は、このエンディングの自己紹介シーンがお気に入りで・・・
ようやく書けるようななった自分の名前を紙に書いて
ソファの上に駆け上がっては、その紙を広げ、おじきをするという遊びをよくやってる。

意味だの何だのと、余計な疑問を持つと・・・確かに覚えが悪くなる。

いいコトと悪いコトの価値判断も同じだろうな。
小さい頃にキッチリ怒られていないと・・・外で人と関わるようになって困る。
友達という小さな社会でさえ、家庭での常識は通用しないことは多いだろう。

さて、家族で車を走らせて日暮れになると・・・
どこかでメシを食べて帰ろうか、という話になる。

「何が食べたい?」と助手席の長男に尋ねると、いろいろ悩んでる。

「あそこに回転寿司があるぞ」と言うと
「回転寿司かぁ」と首をひねっている。

車はどんどん進んでいる。

「回転寿司でもいいか・・・」と長男が言った頃には、もう通り過ぎている。

「ダメ! 判断が遅いと、入れるところにも入れなくなる」と私はつぶやく。
絶対にアクセルはゆるめない。

次にスカイラークが見えてきた。

必死で車の進む先を見ていた長男が、すかさず叫んだ。

「あそこに入ろう!」

「じゃあ、そうしよう」

こういうことは・・・小さい頃から体で覚えておいた方がいい。
意味なんか言い出したところで・・・
まわりには、できない言い訳にしか聞こえなくなっちゃうから、ね。

でじたけ流 教育論

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