20010902
でじたけ流 教育論第64回 親はの見本

事務所にオフクロから電話がかかってきた。
私のオフクロ・・・つまり子供たちのおばあちゃんだ。

間もなく2歳になる次男のセキが止まらず、最寄りの病院に電話で相談したところ・・・
大事をとって救急車で病院に向かったという。

これだけ聞くと、そうとうビックリする話だが・・・
「念のため」という冷静な口調も耳にしたし、
何より3人目の父親は、この程度であわてたりはしない。

夜だったので、上の2人の子供たちを見るためにおばあちゃんが自宅に来てくれていた。
私が考えたのは・・・
救急車で行った以上、迎えの車が必要だということ。

で、仕事を切り上げて自宅に戻った。

子供たちの寝支度をしているところへカミさんから電話が入る。
迎えに行った頃には、案の定、次男はニコニコ笑っていた。

思えば次男のヤツが生まれて初めて乗ったのも救急車だった。
小学2年の長男は、ちょうど次男くらいの時に、ガラスで手を切って縫った。
長女は生まれる直前に出血して、やはり救急車の厄介になっている。

小さな子供にケガや病気はつきもの。
どんなに注意していても・・・100%避けるということは不可能だ。

それだけに予防と同時に必要なのが対処。
「絶対」ということがない以上、的確な対処ができなければ問題が大きくなってしまう。

今回「念のため」病院へ行くために救急車を呼んだのも・・・その一環だと思う。

次男のセキには、喘息の疑いがあるとのことで後日、精密検査をすることになった。
長男も同じようにことを言われたことがあったが・・・
毎朝、剣道の稽古をしているお陰もあってか最近はピンピンしている。

体のどこかが弱いのは血筋のせいも大きいと思う。
だから、そういうモノともうまく付き合って、対処しながら生きていくしかない。

ところが・・・
子供に何かあると、母親は責任を感じてか、ついつい伏せ目がちになることも少なくない。

ダンナがそれを責めたり・・・
おじいちゃん、おばあちゃんに責められたりすることもあるんだろうな。

「母親の管理が悪い」とか「最近の子供は弱い」とか。

しかし、母親の管理についていえば夫婦同罪。
むしろ、家長たるダンナがしっかりしていないのが要因と言っていい。

「最近の子供は弱い」なんて言われたって・・・
もし原因があるとすれば、最近の子供を産んだ我々の食生活に問題があったからでしょ。

高度成長期に生まれ育った我々は・・・
モノのない時代から豊富な時代に入って、モノが豊かさの証明と信じる親たちに食べ物を与えられてきた。

今の時代・・・
モノはあるのが当たり前で、その中身を吟味するようになっているけど
後々になって禁止されたチクロとか赤色2号なんか・・・私もだいぶ食べている。

シナリオの勉強をしていて思うのは・・・
完全な悪者を作ってドラマをまとめようとするのは非常に簡単だ、ということ。
ところが実際の暮らしでは・・・
それぞれの立場でみんなそれなりに一生懸命やっているだけで
「こいつが悪い」なんてひと口で言える対象なんて・・・ないんだよね。
ところが話をまとめようと思うと・・・つい、そういう方向性に行ってしまう。

本当にそのシワ寄せがいっているのは・・・母親じゃなくて、子供だ。
そういう思考習慣を目の当たりにして育つ子供は・・・また同じことをするよ。

今は子供の数が少ない。
と、いうことは孫の数も少ないわけで・・・
おじいちゃん、おばあちゃんも孫にベッタリというケースは多い。

日中、外で稼がなければならない父親にとって・・・
家庭や子供のことはカミさんに任せるのは仕方ないけど
任せたから責任がないわけではない。
逆に任せた責任がある。

家庭内の交通整理・・・
家庭とおじいちゃん、おばあちゃんたちとの交通整理も仕事のうちだよ。

そこから逃げている男は・・・
結局、仕事から逃げてるために家庭を口実にし
家庭から逃げるために酒やギャンブルに走る・・・気がする。

どこまで逃げたつもりでも・・・
自分の人生からは逃げられないのにね。

そこに自分の理想とする世界を構築できなきゃ・・・
男としてつまらないじゃないか?!

でじたけ流 教育論

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