20120812

第627回

子供には、できるだけ本物を見せてやりたいと思う。

本物の空。
本物の海の色。
そして、本当に美味しいもの。

いかに本物を知っているかが人生の豊かさに違いない。

さて…
大学生としてはじめての夏休みを迎えた長男は、
ようやく実家に戻ってきたと思ったら、
国際ボランティアでフィリピンに飛んでった。

５人のフィリピン学生と、
世界中から集まった15人の学生で
孤児院の手伝いをするらしい。

ツアーではなく、いきなり現地集合。

始発近い電車で出ていったというのに、
人身事故でなかなか成田にたどり着けず…。
何とか飛行機の時間に間に合ったと思ったら、
今度は航空会社の手違いですでに満席。
抗議の結果、別の直行便に乗るというハプニング続き。

この原稿を打っている時点では、
ようやく現地にたどり着いたという連絡まで。

はたして、これから２週間、
いったいどんな冒険が待ち構えているのか…？

何もかも予定通りにいかないのが、
本来は世界の常識であり…人生の常でもある。

日本は日本人が考えているほど、アジアの中心じゃない。
むしろ今ではアジアの田舎者になっていると思う。

日本人をアジアのリーダーだと思っているのは、
人間が地球の中で一番偉いと勘違いしているのと等しい。

少なくとも、
長男が今回の冒険でそのことを肌身で感じ、
近隣諸国を侮らず、
日本人としてのアイデンティティをつかむ
きっかけになれば…ね。
本当の地球を知ることになろう。

しかし、長男の奴…
フィリピンの孤児たちに、
日本という国を
しっかり説明できているのだろうか？？？

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