私はジェットコースターが大嫌い。
さんざん待たされた挙句、アッという間に終わるし。
第一、金を払って振り回されるなんて馬鹿げてるじゃないか。
怖いんでしょう?
…と言われたら、その通りなんだけど、
本当に怖いのは、実際に乗るまでの間だろう。
むしろ、ドキドキしながら順番を待って、
いざ乗ったらスカッとする…というのが、
ジェットコースターの正しい乗り方なのかもしれない。
しかし私の場合には…
もしも乗ると決めたら、
わざわざどうしよう…なんて思わない。
だって、乗ると決めて並んでいるんだからね。
ただ順番が、なかなか巡ってこないことに苛立ち、
最終的に振り回されることに腹が立つ。
…だからジェットコースターは嫌い、なのだ。
さて、本番の入試が始まった高3の長男も、
前期(推薦)落ちして後期に望みをつなぐ中3の長女も、
あとは試験を受けるだけ…のはずなのだが、
この段になって、まだ志望校が絞りきれていない様子。
頑張って模試の評価が上がったのはいいのだが、
それで色気が出て、迷う時間ばかり増えたのでは考えもの。
そのことをクールに口にすれば、
「お父さんは何もわかっていない」
…と母娘から非難される始末。
そう…確かにわかっちゃいない。
娘の成績と呼ばれる数字の読み方も、
受験のシステムそのものも。
わかっているのは、
今はタイミング的に迷っている時ではない、ことだけだ。
いくら悩んでみたところで、
あれだけ悩んだ結果何だから仕方ない
…なんていう、落ちた時の慰めにしかならないのは経験済み。
しかし、負けた時のフォローのためのような時間を今つかってたら、
勝てるわけないじゃん。物理的にも、心理的にも。
しょせん、人は信じたいものを信じようとしているだけ。
信じたいものが信じづらい状況下にあって、
ああでもない、こうでもないと
強引に信じる理由をつけようとするから無理が生じて迷い、悩む。
受験に限らず、何かを成し遂げる時にまず必要なのは…
そうした迷いを断ち切る勇気という強い力と、
今という時を無駄にしない現実重視のフットワーク。
受験なんて…
他人からの信頼を得たり、
実りある人生のために必要な
タイミングを守るということを身をもって学ぶ第一歩に過ぎないのだから。
そして、イジメではなく、自分が合法的に拒否されるという、
自分にとっては理不尽だが、社会にとっては当たり前の仕組みに
直接触れる最初の経験。
家庭には自分の居場所が決められていても、
社会には最初から自分の居場所などない。
加えて何よりクールなのは…時の流れ。
やるならやる。やめるならやめる。
自分で進むには即決しかない。
どうしよう…なんて言ってる奴は流されていくのみ。
最期まで頑張れるのは、いち早く頑張る方向を決めた奴だけだ。
リングサイドから発するのは、
ともすれば罵倒にも聞こえる怒濤の如きエールである。