20100321
でじたけ流 教育論第503回

腹で考える-でじたけ digitake.com


メダカたちは、たいぶ慣れてきた。

まだ、巨大な人影に
一瞬ビクッと身を隠すことはあるが、
やがてエサが来ることはすでに知っていて、
すぐさま水面へと近づいてくる。

パーッと夜空の花火のように水面に広がる餌は、
真横から見ると粉雪のように舞い落ちてゆく。

さて、餌を見れば
一匹としてためらう者はいない。
ゆらめくエサを追いながら
流れに合わせて
メダカのムーンウォークが始まる。

こんな光景を日々見ていると…
実に命というものは偉いものだ、と感じる。

生きることに貪欲なほど順応性は高い。

順応性のない者は
流れの中に朽ちてゆく運命だ。

子供にはさまざまに優れた能力があるが、
中でも順応性ときたら
大人がどんなに理屈をこねても勝てっこないな。

経験という邪魔がないというのは
…何と素晴らしいことか。

それでも数少ない経験に照らし合わせて
次の行動を決めてゆくのだから、
ポイントが絞られていて迷いがない。

だから子供は体もよく動くのだと思う。
大人ときたら…
いかに動かないようにしようかと考えてばかりいる。
そのうえ…
考え過ぎて、肝心な時にも動けない。

いかに知識や経験を蓄えて
自分の能力を高めたつもりでいても
…本能にはかなうまい。

たまには子供たちを見習って、
計画に縛られずに過ごしてみるか。

子供たちにはもうちょっと
計画的に動けるようになってほしいけど、ね。


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