20041003
でじたけ流 教育論

第220回


メダカ、金魚に引き続き
亀を飼うことにした。

亀については
前々から小5の長男が飼いたがってはいたが
「自分で面倒見られないからダメ」と
母親に強く反対されていた。

水槽が4個も5個にもなってくると
今さら1個増えたところで
たいした変わりはない。

久々に子供たち3人を連れて
ペットショップに行き、
「今度は亀飼うか?」と尋ねたら
小2の長女と間もなく5歳になる次男は
ワクワクしていたが・・・
長男だけは
「お母さんに相談しないと」と
やや不安そう。

親父はそんなことは気にせずに
店員を呼び止めて、亀を物色。

一番安いのはミドリ亀だったが、
何となく縁起をかついで
二番目に安い銭亀を買う。

1匹980円。
3匹だと2,800円になると聞いて
3匹買った。

ほかに水草なども買って
自宅に帰る途中に事務所に寄って
事務所の水槽に水草を植える。

いざ、亀を買ったら
長男は片時も手放さない。

「もっと空気を入れてやった方がいい」
とフタを半開きに・・・。

それが騒動のはじまりだ。

子供たちは事務所の隅で遊びはじめた。
さて、家に帰ろうとしたら
長男が大声で叫んだ。

「亀が2匹しかいない!」

みんなで事務所の床に這いつくばって
脱走亀の捜索を開始。

しかし・・・見つからない。

小さな事務所だが荷物はいっぱい。
どこかの隙間に潜り込まれたら
もう手が届かない。

長男は大泣きのまま、仕方なく自宅へ戻る。

ことの顛末を聞いたカミさんが
「何でも反省文にしてしまっては効果がない。
 とにかく私も探しに行く」
・・・と長男と2人で再び事務所へ。
それでも、脱走亀は見つからなかった。

長男は泣き泣き晩飯を食べつつ
「もっと集中力をつけるために
 剣道で頑張るから、反省文は許して」
・・・と懇願する。

「もっと頑張るっていうことは、
 どういうことだ?」

「今度の試合を頑張る」

「頑張るだけなら誰でもできる。
 それなりの成果がでなけりゃダメだ」

「・・・」

「一回戦くらいは絶対勝てよ」

「うん」

「勝てなかったら・・・どうする?」

「・・・」

反省文50枚か丸坊主、
 好きな方を選べ」

「じゃあ、丸坊主でいい」

スキンヘッドの親父は
丸坊主など屁でもないのだ。

翌日・・・。

たまたま予定していた事務所の片づけ。
スタッフには
「亀に充分注意する」ようお願いして
荷物の移動がはじまる。

それでも一向に亀の姿は見えない。

ひととおり、片づけが終わって・・・
ペットポトルを加工して罠を作ることを思い立つ。

罠を仕掛ける場所を物色していると
背後から「あ!」という声が。

部屋のど真ん中をゆうゆうと
亀が歩いているじゃないか・・・!
ついさっきまで段ボールだらけだった場所に。

こうして亀はミイラで見つかることもなく
無事保護されたが・・・
長男は丸坊主をかけて
剣道の試合に挑むこととなった。


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