20040822
でじたけ流 教育論

第214回
コリのような


この世に生を受けた者として
絶対に避けられないもの・・・それは“死”。

このところ死に関する話題が多くて
また、重い話か・・・と思われそうだが、
今回はペットの“死”についての話。

むろん・・・
命の重さには、人間も動物もないんだけどね。

今、我が家では、のほかに・・・
カブトムシとメダカと金魚を飼っている。

「ほかに猿もいるよね」と
4歳の次男の方を見て言ったら・・・
次男は一瞬ムッとした顔つきになったが、
すぐに笑顔で「キー、キー」と答えた。
・・・なかなか、いいセンスである。

カブトムシは小5の長男が
一生懸命ゼリーをやったり、
霧吹きを吹きかけたり、
木の葉に埋めてやったりしている。

小学生の子供を持つ親ならご存じのことと思うが、
今、小学生の間では
「ムシキング」なるゲームが流行している。

なんたらカブトムシやら
なんたらオオクワガタやらが印刷してあるカードに
それぞれ攻撃力とかかが書いてあって・・・
カードのフチにはバーコードがついている。
専用のゲーム機にそのバーコードを読み込ませて
画面に出てくる別なムシと相撲をとらせる。

ようするに昔、私たちや私たちの親の世代が
生のムシを使ってやっていた遊びを
バーチャルの世界でやっているのだ。

休日ともなると・・・
近所のショッピンクセンターに設置された
「ムシキング」の機械には長蛇の列ができてる。

子供と親・・・
いったいどっちが夢中になつているのかわからない。

ベーゴマ遊びを復活させた「ベイブレード」にしても
この「ムシキング」にしても・・・
使っている道具は違うが、やっていることは同じ。
だから、親子で楽しめる。

その前にブームだった「遊戯王」カードで
ゲームの面白さに目覚めた長男は・・・
今は将棋に凝りだした。

「ムシキング」も同じことで・・・
やがては本物のムシに興味が出てきたというわけ。

しかし・・・
バーチャルの世界と違って、
本物のムシたちは、やがて死ぬ。
本物を知ることは・・・死を知ることにつながる。

それが可哀想だから・・・といって
そこから逃げていたのでは、
遊びを通じた経験から
大切なことを知ることはできない。

自分も生き物である以上・・・
死を知ることは、あらゆる意味で重要なことだ。

先日買ってきたメダカが卵を産んだ。

そのまま大人のメダカと一緒にしておくと
卵も稚魚も食べられてしまう。

エサをやりに来た小2の長女が、偶然
大きなメダカが
稚魚をひと飲みするところを目撃して怒った。

残酷ではあるが・・・
これも、ひとつの自然の摂理。

この能なしメダカの暴挙を防ぐには
マメに水槽内の卵を探して
別な水槽に移すしかない。

その甲斐あって・・・
小さな水槽の方は、いまや稚魚でいっぱい。

こんなホコリのような稚魚にも
命が宿っていることに・・・
家族みんなで、また感動を覚えるのだ。


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