20030105
でじたけ流 教育論

第129回
供のケツはのケツ


かつて、何万羽という鶏を飼育する卵工場
取材の仕事で行ったことがあった。

ちょうど年末で・・・
話の最後に正月休みについて尋ねたら
「ありませんよ」と、あっさり言われた。

そりゃあそうだ。
正月だろうと、盆だろうと・・・
鶏は毎日、卵を産んでいるんだからね。

小さな子供だって・・・まったく同じ。

大晦日だろうと眠くなれば寝てしまうし、
元日だろうと早起きして
メシを食わせろと騒ぐ。

でも、去年の暮れは
比較的静かな日々があった。

小3の長男が、一人で
スキー教室に出かけていたのだ。

普段、妹弟たちを
強引に仕切っている者がいない4日間は
何だか気が抜けたように静かだった。

近所のスポーツクラブが
子供向けに主催するスキー教室は三泊四日。

最初は・・・
「家族みんなで行こうよ」と
一人で参加することに尻込みしていた長男だが、
「家族みんなで行ったら、
 いちいちスキーの仕方なんか教えられないから
 妹はお父さんが、
 弟はお母さんが付きっきりで
 吹雪になったら、おまえは置いてけぼりになるよ」
と言ったら、
「じゃあスキーのやり方を習っておく」
とシブシブ参加を表明した。

親の目から見る限り・・・
長男は3人の子供の中でも
努力家ではあるけれど、不器用だ。

自信は、やったことでしか生まれない。

コツをつかむのが上手くても
知ってることと、できることはとは違う。
ましてや、不器用な者に自信をつけるためには
強引にでも何かを実際にやらせてみなければならない
・・・と私は思っている。

どうせ、いつかはぶつかる壁を
どう超えさせるかが・・・教育のポイントだよね。

強引にやって嫌になったら
元も子もない・・・なんてのは
私に言わせれば、自分が楽をしたい親の言い訳。

本当に壁から逃げているのは
子供じゃなくて、親の方なんじゃないか?

確かにスキー教室に行かせるには金がかかる。
金をかければ教育ができるとは
とうてい思わないが・・・
選択の自由がないと挑戦できないこともある。

行きには・・・
半ベソをかきながら出かけて行った長男も
帰りには一応、スキーができる奴になって戻ってきた。

ひと度できるようになると・・・もう得意。

そんな兄の様子を見て、今度は長女も行きたがる。

そして父親は・・・
できない言い訳をしまいと
今年も必死で稼ぐことを誓うのだ。


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