でじたけ流 教育論-青春を自慢できるか
 

でじたけ流“教育論”第1044回
青春を自慢できるか


自分でシナリオを書いて監督撮影した
自主映画で死ぬ役を演じた友達が
その後本当に事故で亡くなってしまった

…という話は何度となくしているけど
今年はそれからちょうど40年目の夏になる

当時
漫画研究部と
映画研究部の部長を兼任していた自分は
予算ほしさに生徒会長になった

文化祭-後夜祭-体育祭を
一週間ぶっ通しでやった

規律がゆるい県立高校とはいえ
今では考えられないほど
おおらかな時代だった

生徒会費を握っていたおかげで
現像代込み1分1,000円もかかる
8ミリフィルムを湯水の如く使い
お祭り騒ぎを記録した

その記録は…そのまま追悼映画となった

自主映画の本編とメイキングは
何年か前にデジタル化していたが
その追悼映画は埋もれたままでいた

40年目となる今年
ようやくデジタル化した

たった1本のフィルムを
映写機にかけてみんなで観るのも
楽しかったが…

今は実に便利な時代になったもので
出来上がったデータをサーバに上げれば
どんなに場所が離れていても
それぞれが好きな時に観ることができる

本当はみんなで集まって観よう
…とも考えたけど
コロナ騒動もあるし…
何よりこのフィルムは
各々ひとりで観た方が染みると思った

映画で音響を担当していた奴は
本職の音響監督になり…

後夜祭のステージで大声で指示を出していた奴は
テレビ番組のプロデューサーになっている

思えばみんな
そのまますくすく育った

自分は素人のままだが
…やっていることはたいして変わらない

当時はみんな素人だったから
そういう意味では自分が一番変わってないかも

見た目は一番変わったけど

一杯やりながら観ていると
時折子供たちが18歳の父親の姿を覗き込む

自分の青春を子供に自慢できるか?

幸い自慢できる証拠の動画はある

でもそれ以前に感じたのは…

18歳の自分に今の自分を自慢できるか?

それができないくらいだと…
死んでから連中に会うのが恥ずかしいもんな

やっぱり…人生、日々更新

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