Episode No.798(20010317):思いっきり・・・失敗しよう!
											
										頭を振れば簡単に落ちるように・・・ヘルメットは、ちょっと小さめ。
											鏡の前で・・・ハデな空振りの研究を繰り返した男。
											
											男の名前は、長島茂雄。
											
											強打者として名高いことは言うまでもないが・・・
											ファンを喜ばすためなら、空振りだって力いっぱいやる。
											それがミスター・ジャイアンツの人気の秘密だったと語る人も多い。
											
											人間、誰しも自分を「こう見られたい」と思うことはあるものだ。
											
											しかし、現実には自分で思うように、自分を演出できないし・・・
											たとえ演出しているつもりではいても、案外、見透かされていることは多い。
											
											いい子ちゃんシンドローム・・・という話を少し前にしたけど
											見せたい自分と本当の自分の間に、あまりギャップがあり過ぎると・・・人格崩壊につながってしまう。
											
											「人格崩壊」まではいかないものの・・・
											それを防ごうとする「自己防衛本能」も、またクセもの。
											
											つまり、明らかに「失敗」をしても自分をキズつけるのが怖いために、それを「認めない」。
											失敗の要因が、あたかも自分以外にあったように大義名分を探したり・・・
											それも見つからない場合には・・・
											「この失敗には、これこれこういう意味があった」と、すぐに悟ったふりをする。
											
											確かに、いかなる経験も決して無駄にはならないだろうけど・・・
											「成功」しようとして、その「目的が達成できなかった」のだから、ダメなものはダメ。
											「失敗」の本当の意味を語れるのは・・・「成功」できた時のはずだ。
											
											何事も「経験」と言うのなら・・・思いっきり失敗した方がいい。
											もちろん、それが人命にかかわるようなことじゃ困るけど。
											
											中途半端な失敗の方が・・・大きな事故につながるだろうしね。
											
											プロの世界は、食べていくために・・・
											バントの連続でも勝ち続けなければならないこともあるだろう。
											でも、それでは職人にはなれても、スターには決してなれない。
											
											職人にもなっていないクセにパントばかり狙っていて・・・
											それで空振りしちゃったら・・・それこそ目も当てられない。
											
											それに、思いっきり空振りしていたら・・・まぐれでホームランもあるかも知れないし、ね。
											
											もちろん、常にパッターボックスに立つことが・・・最低条件だ。