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Episode No.8529(20251205)：[生活]Life
小判


近所を歩いていると
廃屋同然になっていた家が
解体されて更地になり
建売住宅を建設しているところが
あちこちに見受けられる

かつての新興住宅地も
代替わりして
誰も住まなくなった実家を
処分する人が多いのだろう

工事をしている人たちに
外国人の姿が多いのにも
時代の流れを感じる

その昔
大工仕事といえば
棟梁の元で修行をして
経験を積んで一人前になる
…というものだったが
今は工場で
あらかた作られた材料を
現地で組み立てしている
…といった感じだ

善し悪しは
ニーズが決めることなので
それが悪いとは思わない

それに
昔に比べて
いくら簡単になったとはいえ
素人に家を組み立てることは
とてもできない

釘を金槌で打ち付けることが
できない人は
片手でバンバン釘が打てる
自動の釘打ち込み機があっても
使いこなすことはできないだろう

どこにどれくらい
釘を打つべきかが
わからないんだからね

AIを使ってみると
これまでには
考えられなかったようなことが
たった１人でもできるようになる

悩んでる暇があったら
さっさとAIを使って
やればいいのに…と思うが

何をすればいいのかが
わからないでいると
たとえいい道具があっても
何ひとつ先へ進めることはできない

そういうことなんだろう…と思う

新しい道具の出現は
できない人をできるようにする
…ものではないかもしれない

これまでの道具を
使いこなしていた人にとっては
爆発的に生産性を上げることになるが
使う訓練をしてこなかった人には
やっぱり使えない

猫に小判…というものだ

最終的にはできる人とできない人の
格差をより広げる結果になりそうだ

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