![]() 第340回
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子供と一緒に食卓につくと、
子供たちの間にちょっとした緊張感が走る。 楽しく美味しく食事はしているのだが・・・ 行儀が悪いと即、私に怒鳴られるからだ。 とくに注意を受けるのが中1の長男。 小さな頃は、 茶碗がすぐ目の前にあったのだが 当然のとこながら・・・ 今はもうキチンと口まで運んでこないと 行儀良くは食べられない。 茶碗を持たずに、 つい、背中をまるめて 口を茶碗に近づけてしまう。 そこで、こんな話をした。 昔、三木のり平という名優がいて、 その人が後輩に 育ちの貧しい人と育ちのいい武士の 酒の飲み方の違いを教えた。 育ちの貧しい人は 口がおちょこに近づいていく。 武士の場合は堂々と胸をはったまま、 おちょこを口に運んでくる。 箸の持ち方が悪いと行儀が悪いというのも、 それは上手に口に食べ物が運べないからで、 指先ひとつのことが 実はその人全体の姿勢の悪さにつながり、 ひいては育ちの善し悪しさえ 周囲の人たちに感じさせてしまうもの ・・・なのだ。 昔いた会社の同僚に・・・ 自分の服装は一切気にしない。 肝心なのは仕事の中味だ。 服装で人を判断する方がおかしい。 ・・・と豪語している人がいた。 スーツやジャケット姿の人たちが集まって 会議をする中で、その人はいつもジーンズ。 初めて客先に行くときにも同じ。 一見、カッコいいように思えるが、 肝心の仕事の中味を見せる機会も、 ・・・残念ながら、 そう与えてもらえなかったように思う。 こだわるのが、おかしい。 ・・・そう言う人に限って つまらないことに 自分が一番こだわっていたりする。 正しいことにこだわる必要はあるが、 どうでもいいことは、こだわるよりまず、 何故その方がいいのかを理解した方が 賢いんじゃないだろうか? かくいう私も・・・ 普段、事務所の中では 実にラフな格好をしているが、 ・・・これは作業性を重視してのこと。 ネクタイで首を絞めていては、 いいアイデアなど浮かばない。 客先に行くときには、 もちろんジャケットかスーツを着用。 しかし、ある時・・・ 新しいスーツを半分得意げに着て行ったら、 それに気づいた客先の人に 「あれ、いつもネクタイとかしてたっけ?」 ・・・なんて言われてしまった。 見せたいものは見えづらく、 見ていないと思うところを 案外、他人は見ているものだね。 |