XL883L 鉄馬小屋通信

20080211:006
ブランド信者

今日は休みだったね、世間的には。
まともに休んでいなかったので感覚がなくなってたよ。

じゃあ、ちょっとバイクの話をしよう。

とはいえ、バイクで特別な場所に行ったわけでもないし、カスタムもまったく進んでいないので、ハーレーにまつわる“うんちく”混じりの話を・・・ちょっとだけ。

ちょうど1ヶ月点検の頃に、ハーレーから書面が届いた。
中にはオーナーカードと購入の礼状が入ってた。

中古で買ったんだけど・・・まだ新車の車検が残っていたし、正規代理店で購入したので、ちゃんとオーナー登録してくらたみたいだ。
別に何か得したわけではないんだけれど・・・何か嬉しい。みせびらかしたくなっちゃう(笑)。

こういう顧客心をくすぐるのが、何とも上手いなと、関心してしまう。

創業当時・・・次々と乱立していた新興バイク・メーカーの中で、ハーレー・ダビットソン社が105周年を迎えられた大きな要因には、こうしたサービス精神があったことを疑う余地はない。

もちろんバイクの性能がよくなければ話にもならないが・・・ハーレーは、かなり早い時期からバイカーのファッションやライフ・スタイルに着目して、根強いファンを育てていった。

極端に言えば・・・まるで宗教信者のようにハーレーを愛する者を育てることができたおかげで、たとえバイクの性能に難があった時代にも、ハーレーに乗り続ける人は少なくないくらいだ。
それはまるで、ディズニーがただ映画を創るだけでなく、キャラクター・ビジネスでファンの心をつかんでいったのにも似ているように思う。ディズニー・プロダクションはもともと映画館のスライド広告を作っていたからね。今で言うプロモーション感覚も優れていたんだろう。

ブランド戦略は企業の大小かかわらず必要なこと。
むしろ、小さければ小さいほど、何故それがいいのかを感覚的に理解してもらえないと商売は成り立たない場合も多い。
個人の場合に置き換えて考えてみても・・・例えば、同じように会社の女性に軽口を叩いたとしても、ある人の場合には冗談として盛り上がり、ある人の場合ではセクハラと訴えられてしまう。
その人に対するイメージが、相手の反応を左右してしまう。
個人の場合には個人が人間力を高めていくしかないが、企業という集合体の場合には戦略として全体のイメージを形作っていく必要もでてくるのだ。

1ヶ月点検の時、工場の並びにハーレー・ファッションのショップがあったので寄ってみた。
ハーレー・ブランドのジャンパーやブーツばかりでなく、犬用のレインコートまである。ブランド品は、とても高くて買えないので、とりあえず刺繍のワッペンだけ買って、カタログをもらってきた。

日本版のカタログには、日本人向けのサイズの商品が掲載されているのは当たり前だけど、イメージ写真に関心がもてた。ハーレー・ファッションに身を包んだモデルが和室でお茶を飲んでいる写真。おそらく、その国々でこうしたその国独自のスタイルの中にハーレーが溶け込むことを意識して作っているんだろうね。

ハーレーはアメリカンスピリッツそのものだ・・・という人もたくさんいて、それはその通りかもしれないけれど、みんながみんなアメリカ人になりたいわけではないし、国境を越えて自社の製品が愛されることをハーレー本社は、理想の商売として考えているんじゃないかな。

買ってきた刺繍のワッペンは、サドルバッグに貼ろうと思ったけれど、ちょっと大きすぎたので、かなり年期が入ってる皮ジャンに貼り付けてみた。しかも100円ショップで買った布用の接着剤で。

私がこれを着込んだからといって、誰も私をアメリカ人だとは思うまい。ただのハーレー好きなおっさんだよな。
しかも、マニアックなハーレー・ファンからは、金のないハーレー好きと思われることだろう。

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