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Fictional Talk No.043(990627)
架空対談 
対策とは

O「誕生日おめでとう!」

H「いゃあ、ありがとうシマちゃん!! 覚えていてくれたかね?」

O「・・・時に、いくつになったかね?」

H「オイラが生まれたんは、東京オリンピックの5年前・・・昭和34年6月27日」

O「つーことは、1959年かぁ」

H「そう、今年でちょうど40・・・だな」

O「意外と若いじゃないの?! おれなんかシマ模様になって、もう48年」

H「それゃまた意外と若いでないの? 車の歴史が100年だっつーに」

O「俺たちに比べりゃ、信ちゃんは長老だぜ。ヤツが生まれたんは、1914年だもんなぁ」

H「おぅ! 信号機の信ちゃんな。でも1914年に出来た時にゃあ、まだ赤と緑だけだったろ?」

O「そうさ、黄色が入って3色になったのは、ニューヨークに立つようになってから。それでも1918年のことだから、81年もたっとる」

H「横断歩道のシマちゃんは、イギリス生まれだったけなぁ」

O「あんたは日本生まれかね?」

H「そこは、どうもハッキリせんが、俺が日本で初めての歩道橋であることは確かさ」

O「こう言っちゃ何だが、日本で初めての歩道橋が、東京や大阪でなく、名古屋にあったっていうのは、ちょっと驚いたなぁ」

H「オイラが建ってる国道22号線の旧道は、市場で栄えたところで、交通量が激しかった。そのうえ、国道をはさんで小学校と中学校があったもんだから、日に1件の割合で交通事故が起こってたんだ。・・・で、地元の人たちの強い要望でオイラが建てられた・・・というワケ。総工費は当時の金で320万だった・・・な」

O「横断歩道を書くのと違って、道をまたぐアンタを建てるのは、大変だったろうなぁ」

H「まぁ、紆余曲折はあったと聞くけどな。・・・最も鉄道をまたぐモンはあったわけだから技術的には不可能じゃなかったろ」

O「技術的に不可能なら、アンタはおらんだろ」

H「そりゃそうだ。・・・オイラが建ってから、オイラの兄妹たちは、瞬く間に全国に広がっていったよ」

O「ほう、今どれくらいいるんかい?」

H「だいたい1万とんで400くらい・・・かな。シマちゃんだって、たくさんおるだろ?」

O「そりゃあ、いるけど・・・アンタと違って消えてっちゃう者もいるからなぁ・・・」


横断歩道
1926年、ロンドンで使われはじめた方式。最初は看板だけだったが、1951年からシマ模様が描かれるようになった。
日本初の歩道橋
1959年6月27日に名古屋市のはずれ、西枇杷島町に作られた全長46.8mの歩道橋が日本初。


参考資料:「日本地理の雑学事典」浅井建爾=著 日本実業出版社=刊
     「雑学・世界なんでもかんでも最初のこと」P・ロバートソン=著 大出 健=訳 講談社+α文庫=刊

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