Episode No.091:セオドアのクマ
アメリカ合衆国第26代大統領、その名をセオドア・ルーズベルトという。
今から約100年前、仕事で南部を旅したルーズベルト大統領は、地元主催の狩りに参加することになった。
主催者側は、大統領に恥をかかせまいとして、あらかじめ一頭の子グマを捕らえて、あとは撃つばかりにしておいた。
しかし、それでは狩りにはならない。縛られたクマを撃っても、おもしろくないと考えた大統領は、子グマを撃たずにその場を立ち去ってしまった。
この話を新聞は、慈悲深い大統領の美談として報じた。
それを見たニューヨークのある玩具メーカーが、この話に便乗してクマのぬいぐるみを発売。大ヒット商品となった。
このクマの名前こそ、"テディベア"。
テディとは、ルーズベルトの名前、セオドアの愛称。つまり本来の意味は"セオドアのクマ"。
まだ著作権もうるさくなかった時代。その後、さまざまな玩具メーカーが"テディベア"を販売し始めて、今ではMr.ビーンも"テディベア"といっしょに寝てる・・・というわけ。
つい先日、オークションにかけられた年代物の"テディベア"は1千万円以上もの値をつけたとか。
クリスマスプレゼントとして彼女に"テディベア"を渡しながら、こんなウンチクを話して「へぇ、物知りねぇ」と喜ばれればいいが、「だから、どうしたの」と言われても、例によって当方は責任を負いかねるので、そのつもりで・・・。 |