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Episode No.327(990913):涙は「使える」言葉?

女の涙には弱い・・・男なら当然のコトだろう。
いかに理屈では勝てても、最後に泣かれると・・・もうどうしようもない。

そもそも涙は、目を乾かさないために、つねに流れているモノである。
普段は、ほんの少しずつ流れているので、見た目にはわからない。

涙の量が増えると、涙道では処理しきれなくなって、あふれ出す。
これが、頬をつたう涙となる。

ただし、あんまり多すぎると涙道だけではまかないきれず・・・鼻水になってしまう。

玉ネギを切ったり、ケムたい思いをした時に涙が出るのは、目に入った刺激物を洗い流そうとしているため。
だから、いきなりあふれ出る。

あくびをして涙が出るのは、顔の筋肉が動かされるコトで涙を溜めている涙嚢(るいのう)という袋が圧迫されて、言わば絞り出されている状態。

さて、不思議なのは、もともと目を乾燥から防いだり、洗い流したりするためにある涙が、なぜ悲しい時や嬉しい時にあふれ出すのか・・・というコト。

モノの本によると、生まれたての赤ん坊は、実は涙を流さない・・・らしい。
これは意外! あんなにギャーギャー泣くのに、ね。

感情的に出る涙は、自分の気持ちを伝えるために効果的なモノとして学習した結果、ようやく流せるようになるもの・・・だそうだ。
したがって赤ん坊は充分な学習期間を経た、生後数ヶ月後になって、ようやく涙を「使える」ようになる。

泣けば涙は出ているモノと思い込んでいたが・・・。
今度の子供が産まれてきたら、よくよく観察してみるコトにしよう。

目は口ほどにモノを言う・・・というが、涙こそ言葉の代わりになる感情の伝達手段でもあるというワケ。

つまり本来、感情的になってひとりで泣くというコトは、ひとりゴトを言っているのと同じで、あまり意味はない。
最も大声をあげるとスッキリするのと同じくらいの効果はあるかもしれないが・・・。

いかに涙が効果的な手段・・・とはいえ、あんまり連発してほしくはない手段・・・ではある。
やっぱり言葉を話せるんなら、ちゃんと言葉で言ってほしいな、男としては。

それとも、泣かすのが・・・好き?


参考資料:「頭にやさしい雑学読本」竹内 均=編 三笠書房=刊

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