Episode No.300(990812):熱き学寮の日々 今週月曜日の「世界まる見えテレビ特捜部」でアメリカの軍隊士官学校の話をやっていた。 1年におよぶ先輩たちによる地獄の特訓。 廊下で先輩とすれ違う時に挨拶でも忘れようものなら激しく罵倒される日々・・・。 こういう特訓は野蛮で無意味だ・・・と思う人も中にはいるだろう。 私は・・・とにかく懐かしくその光景をながめていた。 士官学校の厳しさとまではいかないが、私が行った某大学の学寮では、こんな士官学校に似た光景があった。 先輩たちは皆、武道系の部に所属。 花の応援団のような恰好をしたヤツばかり。 中学の頃、軟式テニス部に所属したことはあるものの、その後は漫研だの、映研だの、まったく文化系だった私は、ただアパートを探しに行くのが面倒だったので、学寮を選んだ。 それが校内の幹部候補生養成のためのものであることを知ったのは入寮してからのこと。 午前6時に起床。 響き渡る校歌とともにピシッと正座していないと、先輩のケリが飛ぶ。 6畳2人部屋に座り机が2つ。 ビニールで出来た衣装ケースを置いて布団を2組敷くと、もう畳が見えなくなった。 最初のうちは「便所のスリッパがゆがんでいた」だの「誰それが先輩に挨拶をしなかった」だのと言っては連帯責任で、深夜2時間の正座・・・という日々が続く。 テレビで士官学校の教師も話していたが、こんな風にシゴかれていると同輩の連帯感は高まっていくことは確か。 バカバカしくなって途中で出ていく者や、夏休みが終わっても先輩が怖くて帰って来られず、そのまま退学した者も全体の1割くらいはいたが、私は何とか規定のまる1年をそんな場所で過ごした。 最も4年制の大学ってところは、夏休みが異様に長いから、寮で過ごしたのは実質半年くらいのものだったかもしれない。 この年になって思えば、先輩と言ってもハタチかそこらで、人を罵倒するほどの人生経験があるワケはない。 せいぜい気分にまかせて、学校裏の食堂にチャーハンを買いに走らせる程度のことで、シゴキの内容自体に大きな意味はない。 だが、どんなにくだらないと思えることではあっても、とにかく必至に食い下がって突破する・・・ということを憶えられれば、それは重要な経験だ。 一生のうちに、半年や1年、こんな生活をしてみるのも悪くない・・・と思う。
参考資料:「世界まる見え!テレビ特捜部」日本テレビ
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