Presented by digitake.com

 

Episode No.291(990802):真夏の動物園

「ズーラシア」へ行って来た。

「ズーラシア」は愛称で、正式名称は「横浜市立よこはま動物園」と言う。
その名の通り、横浜市が運営する"国内最大級"の動物園として今年4月にオープンした。

保土ヶ谷パイパス・下川井から、ちょっと入ったところにあって車での便はいい。
電車だと、どう行くのかよくわからないが・・・。

総面積は約53.3ヘクタールで確かに国内最大級だが、実際のところ現在、開園している面積は約半分の29ヘクタールのみ。

それでも広かった。
そして・・・暑い!!

暑いのは夏のせいで、「ズーラシア」のせいではないんだけれど、日陰が少ないんだよ・・・な。
ベンチは、たくさんあるものの炎天下の中、とても座っていられない。

動物の野生の姿をそのままに見せる・・・ということを売りにしているだけあって、動物たちのいるところは緑も豊富。
ただ肝心の動物たちが、この暑さで引っ込んでしまっている。

たまに姿を現している動物でもいようものなら、人が殺到して、おしくらまんじゅう状態。
これが、また暑苦しい。

日本を代表する
上野動物園をはじめ、今、動物園の入園者数は激減していると言う。

上野に人が押し寄せたのは、何と言っても最初のパンダが来日した時。
田中角栄が日中国交回復を成し遂げて、贈り物としてもらってきたランランとカンカンだ。

その直後、1973年の上野動物園の入園者数は年間880万人。
1990年代に入ると、約半分の445万人になり、昨年1998年は346万人にまで落ち込んだ。

上野動物園だけでなく、全国の動物園も状況は似たり寄ったり。
その最大の原因は1973年に制定されたワシントン条約にあると言う。
絶滅の恐れのある野生動物の国際取引を規制する、この条約に日本が批准したのは1980年のこと。

そのため、国内の各動物園では呼びモノとなる珍しい動物が入って来なくなった。
国際自然保護連盟は、動物園に対し「動物の飼育・繁殖」を呼びかけ、動物を使ったショーも自粛されるようになった。

正直言って、見に行く方は、それではちょっとつまらない・・・。
というワケで今日に至っている。

そんな流れに逆行するようにつくられた「ズーラシア」は、園全体の雰囲気も一見、東京ディズニーランドのアドベンチャーランド・・・という感じで悪くはない。

ただ、いかんせん人間のための施設が貧困。
これでは長くいたくても、とてもいられない。

デートをしに来ているカップルも多かったが、散歩だけで一日過ごすのは到底無理。
せめて、ジャングルっぽい作りにこだわったレストランや喫茶店と増やすとか、涼しい資料館みたいなモノでもないと・・・クタクタだ。

動物園ももう少し人間のことを考えてテーマパーク化していかないと・・・。
「ズーラシア」の第二期の開園には、そういうモノを期待したい。


参考資料:「すっごく役立つ雑学帳(2)不幸の原因篇」素朴な疑問探求会=編 KAWADE夢文庫=刊 ほか

[ Back to TopBacknumberご愛読者アンケートBBS 御意見番BBS 保存版 ]