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世界的に知られている人気キャラクターと言えば、誰もが文句なく「ミッキーマウス」と答えることだろう。
では、そのミッキーマウスにモデルがいたことをご存じだろうか?

時は1918年。16歳の夏を迎えたウォルト・ディズニーは、郵便局でのアルバイトで生まれてはじめて自分が思うがままに使える小遣いをたっぷり手にしていた。

何を買おうかさんざん迷ったあげく、候補は2つに絞られた。
ひとつはカヌー、もうひとつは8ミリカメラ。ウォルトが後者を選んだのは、ご想像の通りだ。

当時、彼は芝居と漫画書きに熱中していた。とはいえ、今から80年も前の話。さすがのウォルト・ディズニーも16歳でいきなりアニメーションは作れなかった。

8ミリカメラを手にしたウォルトが被写体にしたのは自分。しかも、ある扮装をしてはフィルムに収めて楽しんでいたという。

そこにミッキーマウスの原点があった。

彼が好んでしたという扮装は、だぶだぶズボンに山高帽。鼻の下にはちょびヒゲをつけて・・・。
そう、喜劇の王様チャーリー・チャップリンである。

ミッキーマウスをアニメ化する際、チャップリンのスタイルや動きを参考にしたということは、ディズニー自身も認めるところ。
なるほど初期のミッキーマウスは短編のドタバタ喜劇をやっていた頃のチャップリンに似ている気がする。

ところで、世界初のトーキーアニメ映画となったミッキーマウスの『蒸気船ウィリー』で、ウォルト自身がミッキーの声を担当していたのは有名な話。
スタッフによれば、ミッキーマウスは製作を重ねていく度にチャップリンから離れ、ウォルト自身に近づいていったという。

ちなみにミッキーマウス初期の短編ドタバタ喜劇は、東京ディズニーランドのワールドバザール内にあるストリートシネマで常時、上映中である。


参考文献:「ウォルト・ディズニー〜創造と冒険の生涯」ボブ・トマス著 玉置悦子/能登路雅子訳 講談社刊

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