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Episode No.186(990401):修行に励んだ、その後で

男の名前は、小源太。
代々、宮大工の家に生まれ育った彼は、長男として当然、家業を継がなければならない立場にあった。

だが、この小源太という男、手先はめちゃくちゃ不器用で、カンナを使って板を平らに仕上げるどころか、釘をまっすぐ打つことさえできない。

とても恥ずかしくて現場に出すことはできないと考えた父親は、小源太を自宅の納屋にこもらせ、少しでも腕が上がるようにと、練習用に木掘りの人形を作らせていた。

しかし、小源太の腕はいっこうに上がらない。
人形を掘っても、なかなか左右対称にバランスをとることすらできなかった。

そこで小源太は、木をまわしながら削るコケシを作ることを考えた。
何とか形にはなったものの、胴体に首を差し込むと、どうもピッタリはまらない。

何度作ってもうまくいかない小源太は、そのコケシに、こう名付けてそのまま売ろうと考えた・・・鳴子のコケシ。
これが頭をまわすとキュッキュッと鳴る、鳴子コケシの誕生秘話・・・・というのは真っ赤なウソ!!

エイプリルフールの起源は、16世紀のフランス説という研究家もいれば、インドだという人もいる。

インドでは、ちょうど春分の日から3月いっぱいは悟りを開くための修行の期間と決められている。
根を詰めた修行の直後に、デタラメを言っていい日を設けたというのがエイプリルフルの始まりだという話。

そういえば昔、動物園の職員が、死んだトドの子供の髭を剃ってネス湖に浮かべておいたというニュースがあったが、最近のエイプリルフールに、こういう話はあまり聞かない。

こういうバカなことに情熱と時間をそぞく脳天気な人が減ったせいもあるだろうが、あまりに現実がムチャクチャ過ぎて、実際にあったことの方が人間の考えるウソをはるかに越えていることさえ間々ある。

冗談を言ってられる環境って、結構、平和なのかもね。
あなたの身近には冗談を言い合える人が、何人くらいいますか?


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊

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