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Episode No.132(990128):"自分"は何処にある?

問題。次の英文を和訳しなさい。

He is a big man in this town.

答えは"彼は、このあたりの顔役だ"。誰です? "彼は、この街の大男だ"と訳したのは?
ジャイアント馬場じゃないんだから。

欧米人が"自分"を示すしぐさをする場合には、たいてい胸のあたりを親指で指すか、手を広げて軽く胸にあてたりする。
つまり、身体全体を表そうとするのが普通である。

一方、日本人の場合には、人差し指で鼻を指すことが多い。
欧米人がこのしぐさを見ると"自分"を示しているのではなく、たんに"鼻"を示しているように見えてしまうという。

「顔をたてる」「顔にドロを塗る」「顔が利く」「顔が広い」「顔向けができない」「業界の顔役」など、日本語の表現には、人間を"顔"で表すものが多い。

"顔"を利かすためには、何が必要か・・・。
知識や経験もさることながら、何と言っても"人脈"がものを言う。

仕事の上で"顔"を覚えてもらうのは最初の一歩だが、知識や経験、まして人脈もない時であれば、欧米人のように全身で自己をアピールするしかない。

全身で表すものとは、つまり行動だ。

どんなツラ構えのヤツか・・・ということより、大切なのは、何ができるのかということ。
"できそうな顔つき"をしていて、実は"できない"ヤツが、一番信頼をなくす。

肩書きは会社がつけてくれるものではなく、自分が作るもの。
何かができるようになってくると、ツラ構えや目つきもおのずと変わってくるものだ。


参考資料:「しぐさでわかる異文化・異性」鍋倉健悦/渡辺美代子=著 北樹出版=刊 学文社=発売

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