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Episode No.130(990126):明日は明日の風が吹く

関東地方では、夕べから、ようやくまとまった雨となった。

雪国の方々には申し訳ないほど上天気が続いていたが、年間の降雨量は変わらないというから、後でドッと大雪にでもなると面倒だな・・・と思っていたところだ。

雪が2cmも積もれば交通がマヒしてしまうのが首都圏の事情。
かつて東京で例年にない大雪が降った直後に北海道に出張して、タクシーの運ちゃんに「東京でもずい分降ったようだけど、どれくらい積もったの?」と聞かれて「20cmくらいかな」と答えるのに、すごく気がひけたことがある。何せ、車道と歩道の間に残る除雪してない雪が1m積もっていた旭川での話。

ところで1立法メートルの雪の中には、およそ6億3,000万個もの雪の結晶が含まれているという。

雪が地球に降るようになってから、約25億年がたつと考えられているが、これまで2つと同じカタチの結晶はない・・・とされている。
だとすると、雪の結晶の種類は、とてつもない天文学的な数。
ゲレンデに立って、さぁこれから滑ろうという時に、このことを思い出しでもしたら気が遠くなりそうだ。

雪の結晶は、水蒸気が上昇して直接氷に凝縮し、水滴が蒸発して氷結する時にできる。
結晶のカタチが異なるのは、この時の温度に微妙な差があるためだ。

つまり、この地球上には2度と同じ条件の天気はない・・・ということ。

「明日があるさ」というセリフは、今日がよっぽどツイてない時にこそ活きてくる言葉だが、明日も今日と同じような青空が広がると思ったら大間違い。
そんなことを考えていると必ず洗濯物をためこむことになる。

ところで、同じカタチの結晶がないことは、"まだ科学が解けない疑問"のうちのひとつのようだが、その疑問が解けない理由は明確だ。

100万年前にアラスカで降った雪と、夕べ新潟に降った雪を比較するすべがない・・・のである。


参考資料:「まだ科学が解けない疑問」ジュリア・ライ/ダヴィット・サヴォルド=編 福井伸子=訳 晶文社=刊

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