『タクシードライバー』を観た。
この間の土曜日だったか日曜日だったかに、テレビでやっていたんで・・・久しぶりに。
主演はロバート・デ・ニーロ。・・・若い。
さらに若い13歳(役の上では12歳)のジョディ・フォスターが出ていた。
監督はマーティン・スコセッシ。脚本は、あの『MISHIMA』を監督したポール・シュレイダーだ。
ベトナム帰りで目的もなく、毎日タクシーを運転している男が、半ば強引に自分を生きる目的をつくるために大統領候補の暗殺を決意・・・。
この話、考えてみると、ある邦画に似ている。
高橋伴明監督作品『TATTOあり』。
主演は宇崎竜童。主演女優の関根恵子は、この作品がきっかけで、その後、高橋恵子に変わった。
大阪の三菱銀行(当時)で実際に起こった立てこもり事件をモデルにした話だ。
「いつかはデカいことをやるんだ」と心に誓った男が、道を踏み外し、最期は銀行強盗に走る。
『タクシードライバー』の主人公も「今の自分は本当の自分ではない」と思いこみ、退屈な毎日から脱出するために、必死で目的を探していた。
結局『タクシードライバー』の場合には、大統領候補の暗殺は未遂に終わり、変わりに少女売春組織の人間たちを射殺して英雄になってしまうが、『TATTOあり』の主人公は銀行内で射殺された。
本当に"強く"生きようと思ったら、まず今の自分を否定していてはダメだ。
今の自分に、いったい何が足りないのか、そのことをシッカリと認めなければ、頑張る方向が定まらない。
かといって"弱さ"を肯定して、そこに甘んじていてもダメ。
今は何とか人並みの生活は送れていても、それじゃあ気持ちはホームレスと変わりはしない。
本当に"強い"人間なんて、そういるものではない。いるのは"強くなろうとしている"人間だけだ。
ところで、かつてレーガン大統領を狙撃した犯人は『タクシードライバー』を観て感化されたらしい。
かくゆう私もその昔『ロッキー』を観て、ウエイト・トレーニングをいきなりやり過ぎ、肩を壊したことがあるけど・・・。