Episode No.116(990109):空の彼方
よく刑事ドラマなどで、犯人を追う刑事が
「止まれ! 止まらんと撃つぞ!!」
と叫んで、空に向けてピストルを撃つシーンがある。
あの空へ飛んでいったピストルの弾は、その後いったいどうなるんだろう? と考えた人も少なくないのでは。
自然の法則に従えば、ある高さまで飛んだ弾は、やがて落ちて来る。
その弾が犯人に当たったら、威嚇射撃じゃなくなってしまう。もしも、刑事に当たったとしたら、それは刑事ドラマじゃなくて、お笑い番組だ。
しかし、実際に空に向けて撃った弾が人に当たるというケースはあるらしい。それも多数。
フィリピンでは、新年を祝って空に向かってピストルを発射するという習慣があったようだが、その度に落ちてきた流れ弾に当たって死傷者が出るので、現在は禁止されているらしい。
そういうことを考慮して、日本でも本物の刑事は決して空に向かって威嚇射撃はしない。
必要な場合には必ず近くの川や地面に向かって撃つことになっているらしい。
ところで空に飛んでいった風船は、その後、どうなるのか?
たいていはある高さまで昇ると中のガスがぬけてきて、しぼんで落ちると思うが、かつて風船協会の普及委員みたいな人がラジオで語っていたところによると
「上空に昇ると冷やされた風船は凍って粉々にくだけます。風船自体は天然ゴムでできていますから環境にも安全です」
とのこと。
環境にやさしい・・・という言葉で正当化されるモノがやたらと多いご時勢ではあるが、いくら環境にやさしいからと言われても、そうそう風船を空に飛ばす機会は・・・ない。 |