昨日の話の続きになるが…

考えてみると
物語を作っていく上でも
このひと言を言わせたい
…というのがあって
そのひと言に説得力を持たせるために
あれこれ引っぱってくる場合も多い

2020年に
開港当初の横浜を舞台にした
「横濱居領地17番地
　士官の娘と３人の写真家たち」
…という漫画の原作を書いた

この話は「唐人お吉」の
偽写真にされてしまった
少女の真相を追っているうちに
わかってきたことで構成した物語で

写真で身を立てた
ベアトというイタリア系イギリス人の
伝記的な話でもある

晩年
雑貨商を営んでいたベアトは
カタログ用の写真を
自分で撮っていたらしい

そこに若い女性店員が
いたかどうかはわからないが…
もしいたとしたらきっと
老いた店主がカメラを構えたのを見て

「写真なんて撮れるんですか？」
…と笑ったに違いない

そしてベアトはきっと
こう答えるだろう
「俺サマをいったい
　誰だと思ってるんだ？」

このベアトのひと言が書きたくて
この物語を書いた
…と言っても過言ではない

史実とは異なるだろうが
史実を追っていく上で感じた
ベアトのキャラクターは
まさにこのひと言に恐縮されている

この話は後に
ＡＩを使ってオーディオドラマ化したので
どなたにも無料で
聞いていただくことができる
【ＡＩ音声合成ドラマ版
　横濱居留地17番地「士官の娘」と３人の写真家たち】

だから…人生日々更新