お盆にもかかわらず
忙しい…忙しい…と
呟いて玄関を出る
父親を見送りながら
長男が…

心を亡くさないでね
…と
ちょっと気の利いたことを
言ったつもりで笑う

だが…反射的に
父親は諭し返す

心を亡くす…と書いて「忙」
これは確かに
余裕のない様を表している

たいてい…
他人を思う気持ちを
亡くしてしまう…という
悪い意味に使われているが
…実はそうじゃない

疲れた…とか
腹が減った…とか
面倒くさい…とか

そうした
自分本位の気持ちを
亡くしてしまわないと
とてもクリアできないのが
…本当の忙しさというものだ

自分…自分…と
自己主張に終始するのは
二流…三流…素人の悪いところ

名優を見ても明らかなように
プロほど自分より
役目を徹底的に優先する

自己犠牲ではなく初志貫徹

そのためには
自分の怠け心が一番邪魔なんだ

だから…人生日々更新