毎年
正月の2日は
菩提寺の集まりがある
菩提寺とは言っても
そこに先祖はいない
霊園にではなく
檀家になることを望んだ
次男の父が建立した
墓石だけはあるが
幸いなことに父は健在
墓の建立以来
今年で29年になるものの
墓を見に行くだけで
拝むことはない
住職の話によると
建立以来50年経っても
誰も入っていない墓も
この寺にはあるようだ
寺は鎌倉…円覚寺
北鎌倉駅の目の前にある
入館料をとるような
大きな寺だが
この山には円覚寺を中心に
いくつもの庵があり
我が家の墓が建立されているのも
そのうちのひとつ
考えてみると
檀家というのは
サブスクの会員のようなもの
資格を維持するには
そこそこ金もかかるが
観光地でもある円覚寺の駐車場が
無料になるという特典はある
もっとも休日の鎌倉は
大渋滞するので
車で行くべき場所ではない
第一…呑めないし
さて…
正月の檀家の集まりは
住職のありがたいお話と
般若心経の読経…焼香…
葬式以外で焼香をするのは
この日だけ
般若心経については
その解釈には至っていないが
オーディオドラマ
「眞 唐人お吉〜火の玉市兵衛の娘」
…を制作した際
お遍路で納経するのが
この般若心経だと知って
お吉役の女優さんに読んでもらった
かつてはお経というと
葬式のイメージが強く
怖いもののように感じていたが
最近では勝手に
お吉のイメージが広がっているので
何となく心地よくも思える
帰りに特製弁当をいただいて解散
かつては本堂のわきで弁当を広げ
檀家の人たちと会話をしながら
食べていたものだが
コロナ禍以降は持ち帰りが基本となった
住職がいくつか
披露してくれた話題の中に
こんなのがあった
昨年ようやくコロナ禍が明けて
円覚寺で60年に一度行われる
御開帳の儀式が
1年遅れで61年ぶりに行われた
ほかにも
12年に一度のまつりごとなどが
寺院によってあるらしい
何故そんなに長いスパンで
行われるのか…
その理由はわからない
…と住職は話していたが
それは歴史的な背景のことで
意味合いについては
わかる気がした
ようするに
12年後…
あるいは60年後も
この儀式を見ることができるよう
頑張って生きなさい
…ということだろうと思う
年に一度の祭だって
次の祭を楽しみに
生きる人は多いだろう
古くから続く
大きな寺院になると
檀家の数も多いから
そうした人達を
惹きつけるための工夫
…という
側面もあるかもしれない
日本で本格的な
戸籍制度がはじめる
明治初頭以前からある
寺院の歴史は奥深い
またこんなことを
掘り始めてしまうと
とんでもないことに
なってしまいそうだが…
基本的に
人が感じることは
さほど進化していない
道具が進化しているだけだ
だから…人生日々更新