サザンオールスターズが
「勝手にシンドバッド」を
初めてテレビで披露した時のことは
今でも鮮明に覚えている

確かライブハウスからの中継で
湘南で話題の
若いグループとして紹介されていた

曲のノリはいいが
歌詞は何を言っているだか
サッパリわからない

それでも演奏者も客も
すごく楽しそうで
ついつい引き込まれてしまった

その点については
後に吉田拓郎も対談番組で
こんなことを話してた…

これまで
後発のシンガーソングライターたちか
作る歌の歌詞は
だいたい先が読めたものだが
あの連中の歌だけは
何故次にそういう展開になるのか
まったくわからない
…と

新しさ…というのは
これまでの常識では
理解しづらいものである

ただわからないだけだと
受け入れてもらうことはできない

もし桑田佳祐が詩人だったら
ここまで有名にはならなかっただろう

あの歌詞を読んで
理解できる人はもの凄く限られるはず

文字や映像には
たくさんの情報量があるが
その情報を受け取れるかどうかは
受け手の能力に依存する

しかしたとえ
読む力や感じる力に乏しくとも
聴く力だけは誰でも持っている

命が芽生えた時…
人は目を開く前に
まず母親の鼓動を聴く

人に影響力を及ぼすのは
案外…映像より…音声だと
最近つくづく思う

絵にしても…
見てすぐにわかるものより
一瞬何だかわからないものの方が
かえって目を凝らしてしまうだろう
…その方が記憶には残る

だから…人生日々更新