Episode No.7574(20221117)：[日記]Diary
暗闇

怖さを感じる
…といえば
この間こんなことがあった

休みの日は
あいかわらず
徒歩で会社に行っているが…

日曜日の夜
雨上がりのジトッとした空気の中
いつもの川沿いの道を
テクテク歩いていた

まだ少し霧雨程度
降っていたせいか…
いつもは何人か行き交う
犬の散歩をする人や
ジョギングをする人もない

川向こうに時折
電車の光が通過は
あとは川の流れる音だけが響く

ふと前を見ると
それはいきなり
現れたかのように見えた

同じ方向に歩く
女の人の後ろ姿

黒い髪は
肩より少し下まであって
膝より少し下まである
黒いワンピースを着ていた
つまり…真っ黒で
近づくまで闇に隠れて
まったく気づかなかった

ただ底の厚い
ブーツだけが真っ白
雨上がりだというのに
ピカピカだった

何か異様な気配を感じたが
近づかざるを得ない

すれ違いざま
顔を覗き見るのも
ためらわれたので…

少し先で
左の路地に入る時
そっと振り返ってみよう
…と思った

路地まで来て
振り返ると…誰もいない

ああ…ヤバいものを
見てしまったなぁ…

一瞬ゾクゾクしながら
しばらくその場にいると

やがてチラリと
人影が見えた
たぶん…さっきの人

向こうにしてみたら
真っ暗な一本道で
後ろから足音が
ズンズン近づいて来て
怖かったに違いない

恐怖は想像力だ
…ということを
改めて感じた晩

だから…人生日々更新