Episode No.6830(20200702)：[挑戦]Challenge
助蔵物語・制作ノート〈４６〉
技術と見た目

これまで作ってきた本は
すべてオンデマンド印刷をしている

オフセット印刷と違って
省ロットで印刷することが可能だからだ

かつてのオンデマンド印刷は
コピーのようなもので
印字部分が妙にテカって
ちょっと安っぽい感じがしたが…

現在は技術がかなり向上して
素人目には
オンデマンド印刷だが
オフセット印刷なのかは
ほぼ区別がつかない

こうしたデジタル技術の向上は
いいことづくめのようだが
…実は困った問題も少なくない

精度が高すぎて
まったく誤魔化しがきかないのだ

漫画印刷の場合
毎回困るのがモアレと呼ばれる
現象が多発してしまうこと

アミの部分が見た感じ通り
キレイに出てくれない

これは作成時にはわからず
実際に印刷所の機械を通してみないと
検証することができないもの

現在一部の原稿の
テスト出力がはじまっているが
今回もまたこいつに悩まされている

見た目通りではない
…ということは
機械がおかしいようだが
実は機械は正確で
見た目が狂っていることもしばしば

見た目に近づけるため
原稿データの解像度を
上げれば上げるほど
かえってムラが目立ったりする

むしろ
見た目の印象通りにするためには
解像度を下げた方がいい場合もある

こんなところでも…
人生哲学を学ばされたりする

こうしたことを
ひとつずつクリアしていくことが
ノウハウになるのだが…

だったら何故同じ方法で
これまで２冊も漫画を作っておきながら
解決して来なかったんだ

今度こそ…落とし前をつけなければ

だから、人生日々更新