Episode No.6820(20200620)：[挑戦]Challenge
助蔵物語・制作ノート〈３６〉
寅の大変

このところあちこちで
地震が続いていて…

いよいよ首都直下型地震や
南海トラフ地震が起きるんじゃないか
…という不吉な話も飛び交っている

新型コロナは
ある程度予防もできるけど
地震は予防できないからなぁ…

横浜で日米和親条約を締結させたペリーが
即時開港となった下田を訪れた1854年にも
南海トラフ地震が起きている

ちょうど寅年だったので
世間では「寅の大変」と呼ばれた

後に「唐人お吉」の物語で有名になる
下田芸者の斎藤きちや…
ハリスに仕えた西山助蔵は
黒船来航によって
数奇な人生を送ったように言われているが

それ以前に震災に遭ったことが
彼らのその後の運命に
大きな影響を与えたと考えている

百姓一家に生まれた助蔵が
足軽になったのは
奉行所が海から離れた中村の地に
建設されることになって
田畑が接収されたから…だし

下田一の芸者と名高かったお吉も
芸を披露する料亭が流されてしまい
働く場がなくなったので
再建されるまでの間仕方なく
ハリスの看病のバイトに出た
…という見方もできる

発端は何も
ペリーでもハリスでもないのだ

震災でそれまで生活を失いながらも
逞しく生きたのが
助蔵やお吉だ…と自分は考えている

どんな時代にも
越えていかなければならないものがある

だから、人生日々更新