でじたけの「人生日々更新」助蔵物語・制作ノート〈6〉人間・西山助蔵

Episode No.6790(20200516)[挑戦]Challenge
助蔵物語・制作ノート〈6〉
人間・西山助蔵

「唐人お吉」について調べていて
ハリスに仕えた西山助蔵に出会った
…ということは書いたけど

「助蔵物語」を書くにあたって
もっとも参考にしたのは
助蔵の孫の奥様が50年前に書いた
「黒船とわが家」というエッセイ

著者は 山梨まさ さん

最愛の旦那様が亡くなった後
旦那様が話していた
おじいちゃん=助蔵の話を
聞かされていた自分が書き残さないと
やがて風化してしまう
…その思いと
旦那様が亡くなった悲しみを
埋めるために書かれたエッセイだ

このエッセイは当時
周囲の勧めで大手新聞社の
エッセイ大賞に応募され
佳作になったそうだが…
残念ながら活字としては残されていない

まささんも
すでに亡くなられている

このエッセイの存在を
教えてくれたのは
下田開国博物館の学芸員の方だった

御子孫の許しを得て
エッセイのコピーをいただいた

思えばここが「助蔵物語」のスタートだった

下田開国博物館などで紹介されている
助蔵、瀧蔵の紹介も
すべてこのエッセイが
基になっていることがわかった

ただし
このエッセイを書かれたのは
お嫁さんなので
まず悪いことは書かれていない

一方
お吉研究で知られる
下田の郷土史家・村松春水は…
助蔵の話より
自分の研究の方が正しい
…といわんばかりに
自署の中で「助蔵ばなし」の
悪口ばかり書いている

どちらが正しい?
…のではなく
どちらも正しいと思った

まささんが
かなりひいき目に
見ているところもあれば…
春水が持論を正当化するために
勘違いしているところもある

いい面と悪い面が
わかってきて はじめて
生き生きとした人間像が
浮かび上がってきた

そして
助蔵と友達になれた気がした

友達っていうのは
決していいところばかりじゃなく…
あいつはこういう
しょうがないところがあって
…と認めながら
それでも付き合っていくもの

なぜそんな風なのかも
よくわかっているから
…憎めない

だから、人生日々更新

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