Episode No.6786(20200512):[挑戦]Challenge
助蔵物語・制作ノート〈2〉
御子孫との約束
そもそも何故
ハリスに仕えた下田の少年
西山助蔵の伝記を作ろうなんて思ったの?
…とよく尋ねられる
助蔵さんのことを知ったのは
下田へ遊びに行くようになってから
少し後…今から7、8年前の話だ
最初は「唐人お吉」の真相を
探究することにハマっていて
関連資料を手当たり次第に集めた
お吉さんは民間人なので
その行動を裏付ける史料が少ない
そこで
お吉さんの周囲にいた
人物も調べることにした
その中で
西山助蔵と村山瀧蔵という二人の少年が
お吉さんが玉泉寺のハリスのもとへ
奉公するより10ヶ月ほど前から
住み込みで働いていたことを知った
二人はハリスと共に
江戸に出ているが…
助蔵さんは下田に戻って
亡くなるまで下田にいた
その足跡をたどっていくと
お吉さんの話が
どのように一般に漏れ伝わったかも
わかってきた
おかげでその経緯については
「唐人お吉を作った男たち」
…という本にまとめることができた
お吉さんより
むしろ助蔵さんへの興味が膨らんだ
なにせ助蔵さんのまわりにいたのは…
ハリス
ヒュースケン
もちろんお吉さん
それだけでなく…
三井物産の創業者である益田孝
おそらくは
福沢諭吉
幕末の日本を撮影したベアト
…とも会っているだろう
お吉写真の謎について調べ
またここで
ベアトを知ったことがきっかけとなり
今年(2020年)の春
「横濱居留地17番地
〜士官の娘と3人の写真家たち」
…という本も発刊することができた
助蔵さんはこれまで
歴史の表舞台に出てこなかったのか…?
今も御子孫がいらっしゃるから
中途半端なことを書くと
御子孫に迷惑がかかってしまう
その遠慮から書かれてこなかったのだ
いろいろ調べていくうちに
助蔵さんの御子孫ともお会いする機会を得た
お宅に伝わる
さまざまな写真などの資料も見せていただいた
またそこで…
伝記をつくる
…と豪語してしまったからには
やっぱり中途半端なことはできない
だから、人生日々更新