でじたけの「人生日々更新」火の玉市兵衛の娘

Episode No.6772(20200425)[偉人]Great man

火の玉市兵衛の娘
KICHI is the daughter of a man called a fireball

守るものに守られて

当たり前ってもんさ

疲れる暇さえ ありゃしない

勝手なことばっかり 言うんじゃないよ

いずれわかるさ 魂は 永遠だから

…今週は作詞に初挑戦した
「火の玉市兵衛の娘〜斎藤きちのうた」
の歌詞をキーワードに書いてみた。

「唐人お吉」の歌といえば
何といっても西条八十の…
♪駕篭(かご)で行くのは お吉じゃないか
 下田港の 春の雨 泣けば椿の 花が散る
…が有名

サザンオールスターズの
「唐人物語(ラシャメンのうた)」…
♪石や礫(つぶて)でラシャメン結いに
 後ろ指さす ひとり ひとり
…も心に響く歌詞とメロディを刻んでいる

そんな名曲ぞろいに対向するなんて
とてもできやしないが…

歌われてきたのは、いずれも
「唐人お吉」の物語をイメージした歌で
真実の斎藤きちを描いたものではない

「唐人お吉」の物語は小説家、十一谷義三郎が
郷土史家、村松春水が調べた斎藤きちをモチーフに
自分が幼い頃、神戸港で見た
洗濯女たちの悲哀を溶かし込んで作り上げた創作品

どうせ書くなら
これまで誰も描いていない
春水が調べ上げたそのままの
斎藤きちの姿を描いてみたいと思った

そこで思いついたのが
火の玉市兵衛とあだ名されたお吉の父親のこと

この火の玉市兵衛について知ったのも
村松春水の記述からだ

昭和初期のお吉ブームの頃になると
晩年のお吉を見たことはあっても
実際に見たのは自分がまだ子供の頃で
詳しい事情を知る人は
ほぼいなかったと考えられるが

春水が本格的にお吉について
聞き取り調査をしていた大正期は
お吉の没後30年くらい…
まだ、お吉のことを直接知る
友人や知人も存命だったようだ

そこから浮かび上がる
お吉という女性のイメージは勝ち気で男勝り

泣く泣くハリスのもとへ行くどころか…
「異人だって人だろう
 とって食われるわけじゃない
 行くやつがいないなら
 ワチキが行ってやろう」
…と胸をはったという証言もあるくらいだ

このお吉が自分を
ワチキと呼んでいたということも
春水の本には示されている

では何故、
お吉はそんな性格になったのか…
そこに父・火の玉市兵衛の存在が見えてきた

市兵衛についての詳しい史料は
お吉以上に残されてはいないが

この歌ができあがって
今度は市兵衛の物語を書きたくなってきた

まだ「助蔵物語」も
仕上がっていないというのに…

だから、人生日々更新。

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