でじたけの「人生日々更新」蹉跌の系図

Episode No.6689(20200120)[商売]Business

蹉跌の系図
Genealogy of the failure

現在も「セゾン」という名は、
カード会社の
クレディセゾンとして知られているが…

もともとは、故・堤 清二率いる
ホテル経営やリゾート開発を中核とした
セゾングループの一画だった。

セゾングループといえば…

渋谷にパルコを作ったり…

世界一のホテルチェーンである
インターコンチネンタルホテルズグループを買収したり…

一度、倒産した牛丼の吉野屋を
グループ内に組み入れて再建したり…

無印良品、ファミリーマート、
雑貨店のロフトの展開…などなど

一時は飛ぶ鳥を落とす勢いの企業体となった。

一方…
堤 清二は、辻井 喬というペンネームで、
数多くの作品を遺した小説家、詩人でもあった。

三島由紀夫とも交流があり、
三島が「楯の会」の制服を制作する際、
ドゴールの制服のデザイナーを
手配したのは、堤 清二だったという。

西武グループの創業者・
堤康次郎と妾(後に本妻)の間に生まれた堤 清二は、
父との確執を埋めるため作家となり…

異母弟で元西武鉄道会長だった
堤義明への対抗心から、実業家となった。

しかし、その栄光は
バブル崩壊と共に崩れ去ることになる。

借金でまわしていた資金も
資金には変わりないが、
バブル崩壊によって担保価値が失われ
セゾングループの資金はショート。

2000年…セゾングループは精算解体された。

その頃、テレビのインタビューで
堤 清二が話していたことが今も心に残っている。

「成長ばかりに気をとられて、
 ダウンサイジングができなかったんです。
 私の失敗は、そこにある」

堤 清二の異母弟、堤義明もまた、
数々の業績を残し、
世界長者番付で世界一になるも、
最終的には
インサイダー取引疑惑で有罪判決を受け、
一線から身を引くことになった。

対抗意識は、
とてつもない力を生み出すが…
意識が過剰になればバランスを失ってしまう。

だから、人生日々更新。

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