Episode No.6660(20191217):[日記]Diary
熱き人たち
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日本自費出版文化賞
…というものがあることを知り、
昨年上梓した
「まんが安直楼始末記」…と
「唐人お吉を作った男たち」の
2冊を応募したところ、
運良く2冊とも最終審査に残り、
入選することができた。
もっとも、入選の上には入賞があり、
なまじ2冊も最終審査に残ったものだから、
1冊くらい入賞するんじゃないか
…期待していたが甘かった。
正直、「自費出版」という言葉から
抱いていたイメージは…
「素人が作った本」という感じだった。
手作りの本のコンテストのつもりで
応募したのだが…
授賞式に出てみると、その認識が
大きな誤解だったことを思い知る。
いうなれば、売れ筋にはのらない
残すべき記録の本…という意味で、
はじめて本を書いた人もいたが、
大学教授やら、研究者やらも大勢いて、
小さな出版社がバックについてる人たちばかり。
考えてみれば…
ただ書く、だけでなく、
本という形にするには、
それなりのノウハウも資金も必要で
ハードルが高い。
まったくの素人だけでは
作り上げることは困難だろう。
そんな中…
表紙のデザインから装丁まで、
全部自分でやった
本当に手作りの自分の本が
入選にまで届いたというのは、むしろ奇跡。
理事長は我々の世代には憧れの人、中山千夏さん。
まさか、「唐人お吉」を追っかけていて、
ひょっこりひょうたん島のハカセの声を
ナマで聴けことになるとは思わなかった。
今年、大賞に選ばれたのは、
ビキニ環礁での水爆実験で被爆した
漁師たちの写真集だった。
ビキニ環礁での水爆実験…といえば、
第五福竜丸が有名だが、
実はそれ以外にも
1,000隻近い漁船が被爆していたことは、
これまでほとんど知られていない。
…隠蔽されていたからだという。
それを暴くために活動している方が、
自費出版で作った写真集が、
今のこの時代に大賞に選ばれたのは、
当然のことだろう。
コマーシャルに支えられたマスコミが
取り上げることのできない内容を
誰に臆することなく発表するために
…自費出版がある、というわけだ。
本を作り上げる情熱の持った人たちの
集まりなので、
受賞者のスピーチは、
みな熱く、ユニークなものばかり。
お吉さんのおかげで、
また新しい世界を知ることができた。
だから、人生日々更新。