でじたけの「人生日々更新」記憶と現実

Episode No.6607(20191016)[日記]Diary

記憶と現実
Memory and reality

先日、久方ぶりで
東京・有楽町付近を歩く機会があった。

働き始めた頃、
銀座の裏通りにいたので、
この辺りはよく、
わざと遠回りをした場所だ。

ところが、何だか景色が違う。

そう…SONYビルがないんだ。

SONYビルが解体されるというニュースは
確かに読んだ記憶はあったが、
目の当たりにしたのは初めてだった。

後に何ができるのかと思っていたら
…なんと、公園になっていた。

バイトをいくつも掛け持ちしていた時代、
イベント会社の仕事で、
SONYビルの正面に設置された
展示物を一晩中監視したことがある。

ようするに、
SONYビルの前に朝までいた。

夜中には友達と大声で話していて、
不審者と間違われ、
数寄屋橋の交番からお巡りさんが来たのも、
今となっては懐かしい。

明け方になって…
話すのにも疲れて、
ぼんやり車通りの少ない
交差点を眺めていると、
突如、轟音を立てた車がやってきた。

清掃車だ。

こうやって、
都市の美観は
人知れず保持されているのだな
…と感心した。

その…思い出のSONYビルがない。

SONYビルは、なくなってしまったが、
数寄屋橋の交差点を渡る度に、
そんなバイトの頃を思い出す。

人は、目の前にある現実ではなく、
その人が感じたいものを
その場所に見いだそうとする。

だから、人生日々更新。

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