でじたけの「人生日々更新」上品な笑い

Episode No.6570(20190903)[生活]Life

上品な笑い
Philosophical laugh

作家、阿川弘之が、
師匠である志賀直哉の
ユーモアについて語る講演CDを聴いた。

こうした語りのCDは結構好きで
何枚も持っている。
渋滞時に車で聴くのとイライラせずに済む。

広沢虎造の浪曲にはじまり、
映画評論家の淀川長治…
そして、小説の朗読なども聴いたが、
最近は作家自身が語っている、
その声や口調に親しむことを好むようになった。

さて、ユーモアとは何か?
…について、
阿川弘之はこんな意味のことを話している。

自分を対象の外に置き、
普遍的な人の滑稽さを笑うこと。

つまり…

自分を客観視せず、
誰かを指さして笑ったり…

その時代にしかわからない
流行のパロディは…

本当のユーモアではない、ということだ。

誰かを一方的に笑うというのは、
笑われた方にとっては怒りしか感じない。

道具をニュースを使った笑いは、
その道具が使われなくなれば、
可笑しさも伝わらなくなってしまうし、
ニュースが知られなくなれば、
意味すら通じなくなってしまう。

昔から語り継がれている落語や
チャップリンの映画が
今でも腹を抱えて笑えるのは、
普遍的な人間の滑稽さを
客観的にとらえているからだろう。

使う道具や流行は変わっても…
人間は何ら進歩していない。

本当のユーモアは、
そんな人間のおごりを笑いとばすもの。

だから、人生日々更新。

Copyright 1998-2019 digitake.com. All Rights Reserved.

人生日々更新 -Main-